6月10日のNHK特集で「激震 トヨタピラミッド」という番組がありました。
トヨタという日本を代表する自動車メーカーが、国内に構築してきた「トヨタピラミッド」と呼ばれる下請け、孫請け、ひ孫受け、ひひ孫請けと下層にピラミッド状に広がる膨大な生産組織があるそうですが、リーマンショック以降、国内の需要がダウンし、追い打ちをかけるように3.11の震災があり、トヨタは市場ターゲットと生産拠点を海外に移すという経営判断を下したため、そのピラミッドに激震が走っているということでした。
「トヨタは海外に出る、あなたたちもついてくるなら来てください、ついてきたからといって発注は保証されませんが、ついてこなければ発注は無くなるかもしれません。」
トヨタピラミッドは海外に移転されていくこととなったが、今までのピラミッド・メンバーがその海外のトヨタピラミッドに入れるかどうかはわからないという訳です。
下請け以下の企業にとっては、死活問題です。
「海外に出なければ、生き残る道は無い」
・・・とはっきり下請け企業の経営者が語っていたのが印象的でした。
「トヨタピラミッド」はおそらく日本最大規模の製造業組織でしょうが、その巨大な、ひとつの都市か国と言ってもいいくらいの組織が、今海外にシフトしなければ生き残れない状況は、我々日本国民一人一人にとっても同様な状況であることを物語っているように思われます。
われわれ一人一人が、仕事のあるなし、能力のあるなしに関わらず、海外に出て、そこから日本を見直す時期に差し掛かっているということは、疑いようのないことです。
最近やっと観終った「ターンAガンダム」でも、歴史上月に移り住んでいた「ムーンレース」と呼ばれる月人が地球に戻ってくるというストーリーも、「人類が月に住む時代になってようやく地球の良さがわかる」という皮肉な側面を表していたように思われます。
日本から出れば、日本の本当の良さがわかるのかもしれません。
少なくとも私自身はそのように感じています。