今日の日記「小説日記」
今日から私、筒井が日記を書くことになった。
どうぞよろしく。
今日のニュース。
ジーコ監督 2トップで勝ちに行く!
コンフェデレーションズカップ1次リーグ第2戦のギリシャ戦を直前に控えた日本代表は18日午後、試合会場のバルトスタジアムで公式練習を行った。システムを1トップの3―6―1から、FW玉田圭司(25=柏)を2トップの一角に入れて4―4―2に変更し、連係を入念に確認した。ジーコ監督(52)はギリシャから勝ち点3を奪うため、攻撃的布陣を選択した。(スポーツニッポン)
やはり玉田を使ってきたか、と筒井は思った。サッカーは好きだが夜中のゲームを観る気はない。
「大黒と玉田の2トップなんて面白いんじゃない?」
と瞳は言った。
「でも先日ゴールを決めた柳沢も捨てがたいな」
と筒井は言う。どちらが勝つのか、翌日のニュースを楽しみにしていた。
今日の筒井。
前の晩、筒井は精神状態が悪かった。ビールを飲んで紛らわそうとしていた。正確には「スリムス」という発泡酒だ。風呂にも入らずに睡眠薬を飲んで眠りについてしまった。筒井は精神病を抱えていた。妻の瞳には「別れたくなったらいつでも出ていっていいぞ」と言ってある。
夜中の3時頃、筒井は目を覚ました。シャワーを浴びて行動を開始した。筒井はホームページを持っている。目下、地元の図書館にいる野良猫の画像を載せることを楽しみにしている。ケータイカメラで撮った画像をホームページにアップしていく。作業が一段落ついて、筒井はもう一眠りした。8時に再び目を覚ます。図書館へ行って野良猫にエサをやりたくてたまらなくなり、10時には聖蹟桜ヶ丘の家を出る。
市立図書館はその日から図書整理週間に入ることになっていた。駐車場に車を入れられないことを覚悟していたが、駐車場は開放されていた。ねこがいるかどうか手ぶらで確かめに行く。いつもとはちょっと違う場所にねこたちはいた。さっそく筒井は車のトランクを開け、買いだめしてあったねこ缶を2つ取り出す。缶は2つともすぐになくなった。三毛の母ねこと、黒、ベージュ、黒茶の3匹のねこが一心不乱にキャットフードを食べている。
筒井はその姿をケータイカメラで撮る。その後ろを3人の女子中学生が通る。
「やだぁ、超かわいい。あたしマジやばい」
「子猫ほしい」
彼女らは口々にしゃべってその場を去っていった。
30分ほどねこたちを眺めていると瞳が文樹の手を取って筒井に近づいてくる。
「やっぱりここだったのね。一声かけてくれれば文樹も喜んだのに」
「ああ、今日は買い物に出かけるんじゃなかったのか?」
「文樹がどうしてもねこを見たいっていうから」
文樹は瞳の前の夫の子供だった。筒井はバツイチこぶ付きの瞳と結婚した。ふたりの間には子供はいない。筒井も別にそれにこだわることはない。
「文樹、ねこちゃんに触ってごらん」
筒井にそう言われ、文樹は恐る恐る母ねこの背中を撫でてみる。
「もっとごしごし触ってごらん」
文樹は言われる通りにした。
「パパ、触ったよ」
「よし、いい子だ」
筒井は文樹の頭を撫でてやった。
「あたしたち、これから丸井に行ってくるから」
「ああ、いってらっしゃい」
そういって筒井は文樹の頭をもう一度撫でてやった。
瞳は文樹の手を引いて去っていった。
筒井は空き缶を処分しようとして手に取った。すると母ねこがそれに反応して近づいてくる。
「まだ食べたいかい?」
そう口に出してみた。筒井は車に戻りもう1缶取ってきた。缶を開けてやると母ねこは猛烈な勢いで食べ始めた。植え込みに隠れていた子猫も出てくる。結局ねこたちは2缶と半分だけ食べて満足した。食事を済ませてしまうと母ねこも植え込みの中に帰って行った。
筒井は空き缶を処分し、車に戻って本を取り出した。『天国の本屋』という本を読み出した。小説のくせに横書きである。その本は松久淳+田中渉という作家ふたりで書いているようだった。どちらが何を分担しているのか分からない。10ページほど読んだところで眠くなってきた。筒井は自販機でパックコーヒーを買ってストローで飲み始めた。しかし眠気がとれない。
筒井は読書を諦め、車のシートを倒して眠ることにした。30分ほどで目を覚ました。筒井は帰ることにした。途中、ディスカウントストアに寄った。ここには安いねこ缶がある。3缶で104円という安さだ。1日に3缶与え、毎日エサをやりに来たとしても1カ月で3千円しかかからない。それくらいの小遣いはないわけではなかったので、筒井は毎日通おうと決心した。箱で買ってしまおうかとも思ったが、図書館の職員に注意されることを恐れて、1回に9缶ずつだけ買っていくことにした。
ディスカウントストアを出たのはまだ陽の高い午後1時だった。6月の太陽が照りつけていた。このまま家に帰るのはなんだかもったいないと思い、筒井は「ワンダー・グー」というソフト屋へ行った。文樹といっしょに遊べるようなテレビゲームのソフトを探した。それと同時にひとりでRPGをやりたいとも思っていた。しかし、最近精神状態がよく、読書が捗っていたのでゲームをするのはもったいないと思った。それでなにも買わないことにした。
話が長くなるのでこの辺で。今後の予定は寝ます。明日の予定は図書館ねこのエサやりとRPGを買うことくらいです。それではまた明日。
今日のお言葉
調子悪くなってきた。
(賢)