エッセイ162「「だめ連」って知ってますか?」 | あなたのココロ、治します。

エッセイ162「「だめ連」って知ってますか?」

 だめ連とは、うまく社会に適応できない、したくない人々が作り上げている草の根グループです。僕も大変興味を持っています。代表者は神長恒一氏とぺぺ長谷川氏。共に早大第二文学部卒。共にほぼ無職。交流、イベントなど、人とコミュニケーションをとることを趣味としている。

だめ連宣言 神長 恒一
「ダメをこじらせてはいませんか? ダメと一口に言っても、その内容、程度はいろいろです。どうも仕事が続かない、異(同)性にもてない。これといってとりえがない。人とうまくコミュニケーションができない・・・。ちょっとダメ入ってるなというレベルからかなりキビシイ状態まで、人生さまざまのダメ模様があります。

 ダメをこじらせてしまった人は大勢いると思うのですが、にもかかわらずダメな人というのはえてして一人で部屋にこもりがちです。しかし、ダメな人ほど集うことが重要なのではないでしょうか?

 いたずらにうだつをあげようとするよちも、脱力してまったりと人生についてトークする。ダメな人同士が集まってトークすれば、自分のダメを対象化することもきっかけにもなるでしょうし、現代社会の問題が浮き彫りにされ、すわ変革の糸口が見いだせるということにもなりかねない。

 だめ連では、ダメな人同士が集まって、ダメをこじらせないようにいろいろ作戦を練ったり、ダメな人でもダメな人なりに生きていけるようなネットワーク作りを目指しています。

 新興宗教、自己開発セミナー、蒸発、自殺・・・ダメをこじらせた人達の選択肢がこれらのものばかりではキビしすぎます。はたして、ダメな私ばかりが悪いのだろうか。もう少し、他のオルタナティブな方法を模索してみることは有効なのではないだろうか。

 ほとんど語られることがないように思うのですが、実は私たちの人生において、「ダメな奴にはなりたくない」とか「ハクをつけたい」といった判断が、最初の一歩として大きくあるのではないでしょうか。

 「ハク」とか「うだつ」といったものが私たちの人生を大きく限定していて、私たちは創造精神や実験精神というものを失いつつあるのではないでしょうか?「他人と同じ生き方」や「人より優秀な自分」なんて人生ではあまりに寂しすぎるというものです。ハクを捨てて、当たり前だと思い込んでいることを疑ってみる。そんな生き方から何かが起こりうるのではないでしょうか。

 だめ連のメインの活動といえば交流とトーク(笑)、それにたまのイベントぐらいです。

 しかし、人に話しかけることがダサいとされている時代(?)こそ、人と積極的に関係を持とうとする愚直な姿勢が重要なのではと私は考えるのです。それも教条的な、あるいは自閉した一方通行的なトーク(直流)ではなくて、お互いが変わっていくようなトーク、そんなトークの中から想像力や批判精神が生まれてくるのではないか。ことばや思想が起こってくるのではないか。退屈な日常から人生を奪い返す手段となりうるのではないでしょうか。

 このあいだ、独り暮らしのアパートでテレビをつけていたら、
「もうヤだ、こんな生活!」「じゃあ、どんな生活がいいの?」 というコマーシャルが流れてきました。私なら、交流生活をおすすめしたい。
昨日はあっちのイベント、今日はこっちのイベントと出かけていっては人に話しかけ、出会いとトークが絶えない。そんな暮らしもなかなか痛快なものではないですか。

 私は、そんな日々のトークの別れと出会いの繰り返しのなかに、人生や変革の手応えをアツく感じているのです」

主な著書
「現代思想一九九七 五月」 青土社
「にんげんかいほう Vol.九」 だめ連
「だめ連の働かないで生きるには?!」 神長恒一+ぺぺ長谷川 筑摩書房
「だめ連宣言!」 だめ連編 作品社
「だめ!」 だめ連編 河出書房新社


 僕とだめ連の出会いは、鶴見済著「檻の中のダンス」で、だめ連との座談会が掲載されており、「こんな人たちもいるんだあ」とすごく興味を持った。それですぐ書籍を購入。一発でお気に入りになった。僕がだめ連を好きなわけは、やっぱり神長氏のだめ連宣言にあるように、生き方の選択肢を広げてくれることでしょう。

今まで僕には「良い大学に入って、良い会社に就職して、サラリーマンとして一生を終える」という選択肢しか頭になかった。公務員の息子だったこともあったり、社会全体の風潮としてもそれが最良であるという意識が日本人には根強く残っている。

しかし僕は病気によってそのレールにのることができなかった。絶望しながらも道を探していたらだめ連という新しい生き方に出会った。「そうか、こういう風に生きても良いんだ。こうして生きている人が他にもたくさんいるんだ」ということを知って涙が出た。だからだめ連は僕の人生の可能性を広げてくれた存在でもあり、心の支えなのです。

だめ連の公式ホームページ http://www.ne.jp/asahi/r/s/dameren/
があるので、興味があったら(なくても)見に行ってみて下さい。
もちろんこれは宗教とかじゃないですよ。ここまで読んでいただければわかっていただけると思いますけど。基本的に働かない人たちですから、金儲けなんてもってのほかです。