エッセイ142「充実懸賞ライフ」 | あなたのココロ、治します。

エッセイ142「充実懸賞ライフ」

 比較的最近のことですが、懸賞応募に燃えていた時期がありました。理由は「働けないから」です。働けないのでせめて小遣いを稼ぎ出そうという考えで始めました。まず、懸賞雑誌を三冊買ってきます。そして豪華賞品だけに絞って葉書を書くのです。一月に百枚。それだけで五千円がなくなります。そして書きまくります。といっても一日三枚の計算でいいので、殴り書きはしません。カラーペンを使ったり、ファンシーシールを貼ったり。いい年したオトコが涙ぐましい努力をします。夏の暑い時期だったので図書館の自習室で作業をしていました。

 ある日、今ひとつやる気が起きず、机に突っ伏して寝ていたところ、肩を叩かれて目が覚めました。「いびきがうるさくて勉強できないんですけど」だそうです。机で寝てもいびきをかいてしまうとは我ながら情けない。毎日図書館へ通いました。そして書いた葉書はそれぞれ別のポストへ投函します。

 懸賞雑誌を読んでいたら、懸賞の達人がレクチャーするという催しがあることを知りました。これはぜひ行こうと思いました。雑誌社に葉書を出して案内状を取り寄せました。さくらさんと名乗る方が講師で、今まで当てたものベスト五の一位と二位は海外旅行だからいいのですが、五位に現金一万円と書いてあって寂しさを感じました。

 講義はレジュメ通りに進んで終わりました。収穫は得になかったと思います。クローズド懸賞(商品のバーコードなどで申し込む懸賞)を狙え、というのが結論のようでした。当たり前です。会場は主婦ばかり。中には愛知県からこのイベントのためにやってきたという強者もいました。僕はなんとなくグッズなどを買ってしまいました。会場は高田馬場だったのですが、たまには都会へ出てくるのも悪くないなと思いました。
 
 僕もいくつか当選しました。その中で一番豪華だったのは、汐留ロイヤルパークホテル宿泊券でした。ちょうど僕の誕生日にお祝いに母と泊まってきました。普通なら彼女などと行くのでしょうが、彼女いない歴二年なのでどうしようもありません。ホテルは高級で素晴らしかったです。日中はフジテレビ本社など、お台場を散策したのですが、僕が疲れてしまって母に迷惑をかけてしまいました。

 その後、懸賞応募の熱は冷めました。やはり当てて利益を出すことは難しいです。