エッセイ193「ねこラディカル」
朝五時に目が覚めてしまってそれからは眠れませんでした。きょうはねこちゃんがくる(かもしれない)日なのです。躁状態がひどかったので朝の薬は飲みませんでした。朝食も軽く済ませ、七時には出かけました。動物愛護センター(要するに保健所)は同じ千葉でも家からだとかなり遠いのです。九時につけばいいかな、と思っていました。ところがちょっと聞いて下さいな、結局着いたのは二時間半後ですよ。所々道を間違えたりしましたが交通量も多かったんですね。
愛護センターに着きました。受付の人に「子猫をもらいに来たさるです」といっても「は? なんですかそれ」という応対。さっき電話を入れたじゃないですか。しばらく問題が解決しない。とてつもない間違えを犯していました。センターというところは二ヶ所あって、うちからめっちゃ近いほうに電話をかけていたのです。でもそこにも猫ちゃんが三匹だけいました。ピクシーボブ似の女の子、ロシアンブルー似の男の子、色忘れちゃいましたがもう一匹女の子。ピクシー似の女の子は正直かわいかったです。みゃあみゃあないて助けを求めている感じです。人なつっこそうだなあと思ったのですが、名前は虎之介。男の子が欲しいのです。ロシアンブルー似の子は毛に色つやがなく、しかも病気療養中だそうです。ここからは選べないなあと思いました。気を取り直して自宅へ帰りました。お昼頃だったのでトーストを一枚食べて少し休憩しました。躁の時って体は疲れているのに脳味噌だけが覚醒しているので体がしんどいのです。
一三時頃、めっちゃ近いほうのセンターへ行きました。ほんと、車で二○分です。六匹いるという風に聞いていたのですが三匹しかいません。なんでも栄養不足でこちらも療養中だそうです。残っている三匹がまたまた女の子ばかり! なんで女の子だけ取り残されるのでしょう。生理とか難しいからかな。こちらの三匹はケージから出して一匹ずつ抱かせてもらいました。猫を抱くって初めてじゃないですかね。生後何ヶ月か聞き忘れましたがどの子も華奢で軽くて取り扱い注意とシールを貼りたいくらいでした。センターの人の経験では女の子のほうが扱いやすいということでしたが、なんせもう虎之介なんです! どちらのセンターの子もみんなかわいかったんですけどねえ。やっぱり子猫のうちはどの子もかわいく見えるものですよね。そんなわけでセンターの子はキャンセルしました。収穫なしじゃないか、どうするさる?
実は奥の手があったのです。猫雑誌の里親募集コーナーでアメショーを扱っている人の記事を切り取って、一件一件電話してみました。六万円とか七万円というところが多かったです。さすがにそこまで手は出ないなあと思っていたら、二か月の男の子を二万円で譲って下さるという人と出会ったのです。大阪の人なので搬送は無理かなと思っていたのですが飛行機を使って送って下さるという。送料も三千円でいいという。