エッセイ126「ホームページ運営」 | あなたのココロ、治します。

エッセイ126「ホームページ運営」

 僕はホームページを運営しています。かれこれ三年にもなります。はじめは精神のはきだめのつもりで作りました。ニフティのおもちゃサイトでした。しかし、自己顕示欲が旺盛な僕は、それでは物足りなくなりました。そこでアドビ社のページミルというホームページ作成ソフトを入手し、本格的なサイトを作り出しました。日記をレンタルしてきて毎日書いています。ほぼ毎日書いていますからその量は膨大です。数千枚にものぼります。新しいサイトにはメイン掲示板の他、音楽・本の掲示板、詩の掲示板を用意してあります。
 そのうち、固定客が訪れるようになりました。Pさんという主婦です。なんでも僕のパステル画を観てファンになって下さったという。僕は絵の才能はこれっぽっちもありません。幼稚園のころからお絵かきの時間は嫌いでした。それが、大学休学中になぜかパステル画を描きたいと思い立ち、二十四色入りのハードパステルを買ってきて絵を描き始めました。といっても、模写しかできません。つまり絵をまねて描くことはできても現物を描くことはできないのです。初めて描いたのはルドンの「長首の花瓶にさした野の花」です。そんなに点数も描いていないのですが、すべて模写です。なぜって簡単だからです。僕はパステルの質感を楽しむタイプで、絵の内容は比較的どうでもいいです。もちろんうまくかけて褒められると嬉しいですけど。それからというもの、Pさんは毎日のようにサイトにやってきて、掲示板に書き込みをして下さいます。とてもありがたい存在です。Pさんのおかげでしょうか、いつもよく来て下さる方が増えました。掲示板はすごい速度で流れていっています。独身女性のEさん、お年頃の女性のWさん、僕と同じメンタル系男性のHさん、これらの方が毎日のように書き込みに来てくださいます。返信に追われる楽しい日々です。
 サイトのリニューアルもしました。今までのサイト作成ソフトではワード感覚でしか作ることができませんでした。今度はIBMのホームページビルダーです。さすがに売れているだけあって使い勝手がとてもいいです。前からやりたかったデザインに仕上げることができました。ブルーの背景にイエローの文字がとても映えます。
 他の人のサイトへも出かけていって書き込みをします。Eさん、うつのKさん、ひきこもり自助グループ、やはりうつの主婦Uさん、などなど。なぜか自然にメンタル系の人ばかり周りにいます。類は友を呼ぶのですね。
 ホームページ上では本名は明かしません。ハンドルネームといってあだ名を自分で付けます。僕の場合、この三年間、「さる」を使っていました。ところがある人から「このハンドルでは損をしているよ」といわれ、それもそうだなと思って改名しました。僕は結構占いを気にするほうです。人生の路頭に迷ったときは占い師に相談します。そんなわけで元旦に新宿のミロードまで行って命名してもらいました。
「賢(けん)」です。ストレートでいいと思いました。ついでに今年結婚するよといわれました(笑)。占い師さんには僕の病気のことを話していないので、そんなアドバイスも出たのだと思います。鑑定時間は一時間をとっくに過ぎていました。本来ならば一万二千円かかるところです。はじめは一万でいくか? といわれたのですが、もう少し安くなりませんかと交渉したらあっさり六千円にまけてくれました。正月でめでたいしな! といって下さいました。安くしてもらってハンドルも決まって大満足で帰ってきました。そうそう、新宿へ行ったついでに花園神社へいっておみくじをひいてみました。一発で大吉! 今年はいけるぞ、と嬉しくなりました。
 ハンドルには後日談があります。Kさんの掲示板で話をしていたらハンドルネーム占いというサイトがあるよと教えてもらいました。早速「賢」で占ってもらったら吉でした。その他、いろいろサンプルがあって、僕の場合、「まったり賢」とすると大吉になると書いてありました。僕は冗談半分、本気半分で「まったり」をつけることにしました。なかなかマイルドになっていいのではないかと思っています。周りの方の評判もいいです。
 カウンターが回るのを見るのも楽しみのひとつです。丸々三年かかって一万八千ヒットです。多い数ではありません。でもサイトをリニューアルしてから来訪者が増えた感じがします。アクセス解析をつければいいのでしょうが難しくてうまくつけられません。でも毎日数十名の方々に来ていただいているようです。日記には来訪者数のわかるカウンターがついています。今のところ毎日三十名くらいの方に来ていただいているようです。
 日記なのですが、これはまあ日記であることの宿命でしょうか、今日は何時に起きて、○○をして、××で、今に至ります。っていうものを毎日書いています。人の人生をかいま見て楽しいのかわかりません。書く方としては気持ちを整理したりして有益なのです。読んで下さる三十名の方々は読んでいて面白いのでしょうか。でもやはり日記をたくさんの方に読んでいただけたときは嬉しいです。最高で六十名くらい、最低で三名という記録が残っています。
 創作日記もつけています。今日はエッセイを書いたとか、読書をしたとか、精神状態が悪くて創作どころじゃないとか。これをつけることによって自分は創作するために生きている人間なんだ、と思い出します。なにもなかった、とかく日のほうがずっと多いです。今日はこうしてエッセイを書いているので、いい結果報告を書けると思います。
 チャットのページもあります。チャットとは文字を通してのおしゃべりです。うちの場合、ほとんどチャットとしては機能していません。人が集まらないからです。だから自然に掲示板の役割を果たしています。うまく時間が合ったり、臨時にチャット予告をしておくと、話すことができたりします。僕も一時期チャットにはまって、まるで知らない人としゃべっていました。だいたい「仕事は何をしているの?」「病気なんて甘えだ」「みんな苦しみながらがんばっているんだ」などと説教をされてへこんで帰ってきます。もう二度とチャットなんかするか、と思うのですが、一度面白さを体験したら病みつきになっちゃうんですよね。
 ひきこもり優先掲示板というものも用意してあります。一応僕のサイトはひきこもりサイトということになっています。メイン掲示板に書き込む勇気が今ひとつでない方のためにひっそりと掲示板がおいてあります。でもあまり使われていません。本当のひきこもりの人は発言しないで読むだけ(ROMといいます)のようです。
 本・音楽・映画・テレビの掲示板と詩の掲示板もあります。こちらはあまり利用されていません。時々詩を書いて下さるかたがいらっしゃいます。僕自身でなんとか活性化を図らなければならないと思っています。でも無駄があっても別にいいのかもしれません。
 以上が来訪者が参加できるページです。他のページは読むだけのものです。まず僕の半生記があります。原稿用紙八十枚の作品です。以前NHK学園で取った自分史講座で書いたものをそのまま載せてあります。「波瀾万丈の人生ですね」などとよく言われます。自分でもまっすぐ生きてきたわけではないので普通の人が読むとびっくりするかなと思っています。祖父母のことから僕の誕生、小中高大学時代、現在の楽しみなど、これを読めば僕のことをほとんどすべて理解できるような内容になっています。個人名以外はすべて事実です。
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 ホームページを作ること、運営は楽しいですね。いろいろな方と出会えます。リアルでは対人恐怖症があるのでこんなにたくさん友達を作ることができません。サイトを持ててしあわせだなあって思います。