エッセイ113「恋の終わり」 | あなたのココロ、治します。

エッセイ113「恋の終わり」


ひとつの恋が終わりました。わずか一週間でした。もともと無理な恋ではありました。でも僕は彼女を好きになったし、彼女も「別な意味で好き」になってくれました。単なる僕の勘違いでした。彼女は彼氏持ち、しかも遠距離。かなうはずもありません。叶えようとする気力も僕には足りなかったかも知れません。
もう恋なんてしないだろうと思っていました。そこへ思いがけず恋らしきものがやってきました。でもそれは幻想でした。再び僕は静かな生活に戻ります。なんの色もない、モノクロの生活へ。
胎動は流産に終わりました。振られた男はナルシストになります。今、不幸な自分に酔っています。とてもいい気分です。外の天気も素晴らしくいい金曜日の一一時です。はじめから空からダイヤが落ちてくるようなうまい話はなかったのです。
元に戻ろう。失いもしなかったし何かを得ることもなかったのです。一週間前の自分に遡ろう。なんで涙が出てくる必要があるんだろう。思えば昔から泣き虫だった。立ち上がらなければならない。どうやって? 時が解決してくれるのを待つばかりなのかな。自分じゃ何をしていいのかわからない。転んでもひとりでは起きあがれない。手を貸してくれる人もいない。
今後の作戦会議をしよう。
その一:また新しい恋をする。でもどうやって? ひきこもりの僕が誰と出会うの? そもそも恋でしか傷は癒せないの? 作戦その一はボツ。
その二:時に身を任せる。それが一番楽。昼間から酒をあおって現実逃避するの。破滅的。素敵。
 こうして僕は嫌なこと、悲しいことがある度に酒をあおって自然に忘れてゆくという選択肢を選んできました。というよりそれしか道が考えられないんです。でも朗報もあります。死にたいとは思っていないことです。それほど傷も深くないし、それほど悪いことが起こったわけではないですから。楽しい気分を味わえた一週間でした。好きだった人に感謝しなければいけませんね。ポイントは過去形であることとmustであることですね。残念ながら、彼氏とうまくやって幸せになってね、なんてきれいごとは言えません。僕の中ではあの人は僕の物だったのですから。さようなら、好きだった人。あなたのすべてを忘れることにしたよ。ごめんね。楽しかった。