エッセイ63「バイト辞めたるで」
いってきましたよ、アルバイト。一言、めちゃくちゃきつかったです。anには「軽作業」なんて書かれていましたが、うそうそ。立派な重労働です。現場は金属再利用センターみたいなところで、要は膨大なゴミの中から鉄や非金属、ケーブルなどをひとつひとつ探し出すという仕事です。生まれて初めての本物の三Kと呼ばれる仕事でした。結構危険で、自分の身は自分で守れといわれたり、防塵マスクをしなければならないほどほこりっぽかったりするところでした。
八時に仕事が始まった時点で、「これは自分には向いてない、無理だ」と思ってしまいました。頭の中は半分パニクッていました。一○時の休憩の時点で派遣会社に連絡して、明日の予約をキャンセルしました。ここのアルバイトはもう今日一日で終わりにして辞めようと心に決めていました。先輩に考え直したらどうかといわれたのですが、僕の決心は固いものでした。
昼休みに先輩と腹を割って喋ることができました。関西から上京してきた人で、ここの派遣会社では長く働いているそうです。僕とは労働観が三四○度違う人で、自分で働いてお金を貯めて、臨床心理士の資格を取って働きたいといっていました。「実はな、俺ここだけの話、ひきこもりやったんや」意外な展開になりました。抗うつ剤と精神安定剤を飲んでいること、カウンセリングを受けていることなどを話してくれました。「「はたらく」ということは、はたを楽にさせるっちゅうことじゃ」とか、結構頼みもしないのに説教を聞かされました。はじめはこんなに腹を割って話せる人がいるんだなあと思っていましたが、最後の方はもううざったくて結構聞き流していました。関西の人ってこういうタイプが多い気がします。「仕事の予約を入れて、もう一回だけやってみてから考えたらどうや」と帰りにいわれましたが僕はそれを聞き入れず、仕事を入れませんでした。親切心なのかもしれませんが、自分は絶対正しいと思っている人でした。何のために関西からでてきて、きつい貧乏生活を送っているのか、かわいそうにも思えましたし、自分をしっかり持っていてうらやましいと思ったりしました。
別れ際、先輩は「考え直せ」といって握手を求めてきました。今時珍しい熱い人だと思います。
八時に仕事が始まった時点で、「これは自分には向いてない、無理だ」と思ってしまいました。頭の中は半分パニクッていました。一○時の休憩の時点で派遣会社に連絡して、明日の予約をキャンセルしました。ここのアルバイトはもう今日一日で終わりにして辞めようと心に決めていました。先輩に考え直したらどうかといわれたのですが、僕の決心は固いものでした。
昼休みに先輩と腹を割って喋ることができました。関西から上京してきた人で、ここの派遣会社では長く働いているそうです。僕とは労働観が三四○度違う人で、自分で働いてお金を貯めて、臨床心理士の資格を取って働きたいといっていました。「実はな、俺ここだけの話、ひきこもりやったんや」意外な展開になりました。抗うつ剤と精神安定剤を飲んでいること、カウンセリングを受けていることなどを話してくれました。「「はたらく」ということは、はたを楽にさせるっちゅうことじゃ」とか、結構頼みもしないのに説教を聞かされました。はじめはこんなに腹を割って話せる人がいるんだなあと思っていましたが、最後の方はもううざったくて結構聞き流していました。関西の人ってこういうタイプが多い気がします。「仕事の予約を入れて、もう一回だけやってみてから考えたらどうや」と帰りにいわれましたが僕はそれを聞き入れず、仕事を入れませんでした。親切心なのかもしれませんが、自分は絶対正しいと思っている人でした。何のために関西からでてきて、きつい貧乏生活を送っているのか、かわいそうにも思えましたし、自分をしっかり持っていてうらやましいと思ったりしました。
別れ際、先輩は「考え直せ」といって握手を求めてきました。今時珍しい熱い人だと思います。