エッセイ38「入院一日体験(?)」
昨日の予定通り日曜日の病院へ行ってまったりとした。しかも朝一○時から! 涼しげな風が吹いて気持ちのいい一日でした。以前喋ったことのある入院患者さんをつかまえてまったりトークでもしようかと思っていたのですが、その人が現れたときには旦那さんといっしょだったのでまあいいか、ということになった。午前中は誰とも喋らず、ぼーっとベンチに座っていた。アルコール依存の人の病棟前のベンチなんですが、まああの人たちはアルコールさえ飲まなければ普通の人たちなので明るいし、よく喋る。それを聞いているだけでも面白い。元々お酒好きの人は宴会が好きだったり、人間好きなのだろうから悪い人はいない感じがする。
お昼になると患者さん自身が配膳係になって、てきぱきと食事を運んでゆく。そしてみんな病棟内に消えていった。もちろん僕の分なんてないので、よく行くラーメンやさんで昼食を摂った。そしてまた戻ってきてみると、ベンチは食後の一服のための人であふれていた。入院生活は娯楽が少ないから煙草を吸わない人はいないっていうくらいみんな吸っている。僕も少し離れたベンチで一服していたら「カラオケしないんですか?」と知らない男の人が声をかけてきた。なんでも一三時からカラオケ会をするらしい。僕もやっていいといわれたので曲を選んでいたら、「ここの入院患者のみ」ということで追い出されてしまった。チャラの「やさしい気持ち」を歌おうと決めていたのに。
病棟内でカラオケ会をやっている間、またベンチでぼーっとしていたら、さっきの男の人が「自分の病室を見に来ないか」という。ついていってみると三人部屋におじいさんがいた。いつの間にか話が僕に対する説教になった(笑)。「人生に目標を設定して、がむしゃらに努力しなさい」「年金なんかに頼っていちゃダメだ」「私はもうすぐ八○になるけど教職免許試験を受けるよ」などなど。
僕は基本的には説教は軽く聞き流すのですが(笑)、確かにそうかもなあとも思いました。
お二人にお礼を言って今度は精神の病棟へ行ってみました。僕が入院するならこっちです。空きベッドはあるか、ベッド周りの環境はどうか、楽しくトークして患者さんと友達になれるスペースがあるか、などをチェック。こっちはアルコール病棟に比べてとにかく暗い(笑)。ま、いいか。