エッセイ13「切り売り」
切り売り
月末でバイトを辞めることにしました。たった三週間でした。その日も午前中から頭の中を「性に合わないんで辞めさせて下さい」という文章がぐるぐる回っていた。仕事中に店長とすれ違う機会があったので、あっさりと言えたわけです。よかった。つうか、まだ五日しか働いてない。あと六日も働かなければならない。辞めると宣言してからの労働って気まずかったりするのだろうか。割り切ってやることやるだけにしよう。
家族にその旨を話すと、「お前のその気分変動はおかしい」といわれた。普通の人がちょっとうらやましい。こうなったら普通じゃない人の特権をフルに活用したいものだ。
前の日は心配したけど、その日もちゃんと労働することができた。そう、労働したって殺されるわけじゃない。でも不本意な労働って、自分を殺して切り売りしているようなもんだ。その日も魂を殺して、時給九○○円で自分を売ってきました。なんで僕はこんなに労働を嫌悪するんだろう。自己愛が強すぎるのだろうか。その日も一日中いつ辞めようか、どんな理由で辞めようかと考え続けていました。
そのうち慣れるものなのか。特許事務所の時も、仕事全体を把握しきれない苛立ちがあった。回数を重ねていくうちに仕事を覚えて満足感を得るようになるのだろうか。
バイト先の人々を見て、「人種が違う。こいつらといっしょになりたくない」と思う。能力はブルーカラー並なのに、意識はホワイトカラーのままでいる。どうしても自分を安売りできない。小心者なので、辞めるにもかなりの決意と理由がいる。もう少し様子見かなあ。事態が変わるのを見守るって感じです。
月末でバイトを辞めることにしました。たった三週間でした。その日も午前中から頭の中を「性に合わないんで辞めさせて下さい」という文章がぐるぐる回っていた。仕事中に店長とすれ違う機会があったので、あっさりと言えたわけです。よかった。つうか、まだ五日しか働いてない。あと六日も働かなければならない。辞めると宣言してからの労働って気まずかったりするのだろうか。割り切ってやることやるだけにしよう。
家族にその旨を話すと、「お前のその気分変動はおかしい」といわれた。普通の人がちょっとうらやましい。こうなったら普通じゃない人の特権をフルに活用したいものだ。
前の日は心配したけど、その日もちゃんと労働することができた。そう、労働したって殺されるわけじゃない。でも不本意な労働って、自分を殺して切り売りしているようなもんだ。その日も魂を殺して、時給九○○円で自分を売ってきました。なんで僕はこんなに労働を嫌悪するんだろう。自己愛が強すぎるのだろうか。その日も一日中いつ辞めようか、どんな理由で辞めようかと考え続けていました。
そのうち慣れるものなのか。特許事務所の時も、仕事全体を把握しきれない苛立ちがあった。回数を重ねていくうちに仕事を覚えて満足感を得るようになるのだろうか。
バイト先の人々を見て、「人種が違う。こいつらといっしょになりたくない」と思う。能力はブルーカラー並なのに、意識はホワイトカラーのままでいる。どうしても自分を安売りできない。小心者なので、辞めるにもかなりの決意と理由がいる。もう少し様子見かなあ。事態が変わるのを見守るって感じです。