【タイ料理】ゲァン・マッサマン(マッサマンカレー)~「世界一美味しい料理」の奥深さ | サルちゃんのタイ料理三昧~タイ人によるタイグルメのすべて

サルちゃんのタイ料理三昧~タイ人によるタイグルメのすべて

タイから来て東京に住む主婦サルちゃんがタイ料理レシピやタイ料理の情報を提供します。
日本語が堪能ではないので、実際はパパ(直也・ノンフィクションライター)が翻訳・編集などしています。
Sarutaya from Thailand living in Tokyo writes about Thai cooking.

■マッサマンカレー

※この記事は、2015年1月に探求三昧ブログで書いたものをリライトします。

元は一つ前の「タマリンド」の記事と一つの記事として書きましたが、長いので分割しました。

 

 

【直也】

あらかじめ書いておきますが、タイには「カレー」という料理は無いです。
グリーンカレーとかレッドカレーというのは、おそらく欧米人たちが呼び始めたのでしょう。
タイ人たちは、外国人たちがカレーと呼ぶタイ料理を、「ゲァン or ガェン(gaen)」と呼びます。

 

日本では「ゲーン」と表記されますが、「ae」の部分は日本語にはない母音なので、発音とカタカナ表記が難しい。
「ゲァン」は「汁」の意味。
たとえば、私はグリーンカレーを「ゲァン・キョォワン」などと、苦肉の策で表記したりします。

私は「三色カレー」と呼んだりしますが、ポピュラーなタイカレーでは、グリーン/レッド/イエローの3種類があります。
レッドカレーは、「ゲァン・ペッド」(辛い汁)。
イエローカレーは「ゲァン・カリー」と呼ばれます。

タイにはカレーという料理がないと書きましたが、唯一ターメリックを使用した「ゲァン・カリー」(Gaen Kari、イエローカレー)が、一種のインド的なカレーと言えるかもしれません。
もっとも、辛さはほとんど無いですが。
もともとタイ南部のイスラム教徒の料理でした。

 

その三色カレー以外にも、ゲァンには色々な種類があって、ゲァン・マッサマンもその一つです。
マッサマンは「ムスリムの(イスラム教徒の)」という意味で、これも南部のイスラム教徒の料理なんです。
こちらもイエローカレーと同じで、カレーと呼ぶ割にはまったく辛くない。

 

■「世界一おいしい料理」

サルちゃんが初めてマッサマンカレーを作ったのは、たぶん2012年6月のこのInstagram投稿の時だったと思います。

恐らくタイのニタヤ(Nittaya)というブランドのペーストを使っていたのでしょう。

 

 

 

 

マッサマンは6年ほど前に急に日本で話題になり、様々な食品メーカーがマッサマンカレーを色んな形で商品化するようになった。

 

その理由はは、2011年7月に米国の情報サイト『CNN Go』が、「世界で最もおいしい50種類の食べ物」を発表して、そこでマッサマンが1位に選定されたことがあるでしょう。
 

そこでは、日本料理では寿司が4位で、ベスト10入りしました。
ちなみに、他のタイ料理では、トムヤムクンが8位に入った。

 

■マッサマンの材料

マッサマンは、甘味が強い中にタマリンドの酸味が効いていて、いくら食べても飽きない味。


タイ料理は、甘味・辛み・酸味・塩味などが入り混じった複雑な味を特徴とする料理が多く、それがタイ料理の真骨頂ではないかと思います。
また、魚醤ナンプラーやオイスターソースなどを使い、味にすごく深みが出てくる。

 

更に更に、香味野菜などによる「香り」も加わるのだから、世界一美味しい料理に選ばれるものがあっても、決して偶然ではないと思います。

材料は、タマリンドの他に、ココナッツミルク、蜂蜜、ピーナッツ、コリアンダーシード、クミン、カルダモン、シナモンなど、様々な材料を調合して作られる。


日本でカレールーでカレーを作るようなバカチョンではなく、必ずタマリンドかタマリンドペーストを加えます。
常に冷凍して果実を使うか、またはタイのタマリンドペーストを加えます。


通常はタイ料理店でも、サルちゃんが作る時も、市販のペーストを使って作ります。
その場合、ココナッツミルクとピーナッツも用意します。

 

サルちゃんによると、マッサマンはイスラム教徒が結婚式などで食べる特別なご馳走だそう。
日本で今まで認知度が低かったのは、ローカルな料理だからというのもあるでしょう。
私がタイ料理で一番好きなタイ北部のカオソーイも、またそうであるように。

 

■料理上手なわけ

うちの専属シェフが作ったマッサマンは、美味しくないはずはない。
この子は、以前に日本のタイ料理店で調理を鍛えられたこともあるけれど、もともと料理の味付けに抜群のセンスがあると思います。

 

日本の料理も見よう見まねで作ってしまい、初めて作った料理も、そこそこの味になる。
私はお世辞というものが大嫌いで、美味しくないものを美味しいと言ったりはしません。
「ここはこうした方がいいんじゃないの?」とアドバイスすることも、よくあります。

日本に来る前は、いつも料理上手なお母さんが料理を作ってくれていたので、あまり料理をする機会がなかったというから驚きです。
もともと食べることが大好きで、それが高じて自分でも作るようになったのではないかと思います。

日本では、「本当に美味しいタイ料理」が食べられるところは限られているので。
 

こちらは、2014年9月に、タイへ帰省する前に初めてマッサマンを作ってくれた時のInstagram投稿。
 

 

ちなみに、この私のInstagramのサブアカウント @noya_momose は、タイ料理などの料理ものなども頻繁に投稿します。

このブログに投稿しないものも見られます。

 

■タマリンドは必須

サルちゃんが最初にマッサマンを作り始めた頃は、イエローカレーに近い味で、違いがわからなかった。

それで聞いてみたら、マッサマンの方はタマリンドを使うのだと答えが返ってきました。

日本で市販されているレトルトなどのマッサマンカレーは、後日別の記事で書きます。
一般的に、日本で売られているマッサマンで、安いものは要注意です。
肝心のタマリンドを使っていなかったり、使っていても足りなくて酸味が物足りなかったりするので。

今までタイ料理店で食べたマッサマンでは、たとえば西武新宿線久米川駅近くの「サワディー」で食べたのが美味しかったです。
この店はマッサマンもパッタイも何でも美味しいと、味にうるさいサルちゃんが合格点を出しました。
あとでタイ友にも、美味しい店があると教えたようです。

たとえ日本の「美味しいタイ料理店」でも、マッサマンはやっていないところが多く、あったとしても味のほどはわかりません。
あくまでも、タイのローカルフードだからです。


でも、この記事を書いてから7年経って、日本でもブームになって、「マッサマンは無いの?」とお客さんに良く聞かれて、出すようになった店もある
 

 

■作る難易度は?

マッサマンを自分で作る場合、ペーストだけでなく、上で書いたように、こんなに色んな食材を揃えなければならないのかと驚きました。
タイ料理を全然作ったことない人がいきなり作るのは、難易度高すぎでしょうね。

タイ料理は奥が深すぎて、書き出すとなかなか止まらない。

実は以前に、名前を言えば誰もが知っている某著名人から、タマリンドの苗を分けてもらいました。

でも、冬になって枯らしてしまいました。

やはり暑い国の植物なので、よほど注意しないと栽培が難しいです。
 

このブログはまだ開設したばかりで、Ameba pickのアフィリエイトはまだ申請していません。

お薦めのマッサマンカレーなどは、Ameba pickを始めた後で、また別の記事で紹介しますね。