目が覚めてからの虚無。
隣で寝息を立てる君を見てるだけで、
いままでのどんな場面に居合わせるより切なくなった。
君を起こさぬよう、音を立てぬよう、君の部屋を出た。
きっと目が覚めた君はあわてて私に何があったのって電話するんだろうね。
私だって今までは、お互い目が覚めるまでそばにいた。
それが当たり前だったけど。
ああ、もしかしたら電話なんてかかってこないかもしれない。
電話の子のところへ行くのかもしれない。
ってか、もういきなよ。
私一人でいいもん。
一人で泣けるもん。
ね。
こんな早朝からこんな怖い顔したおばさんいたら、
職質かけられるかもね。
眉間にしわよせて唇引き結んで、目ぇ真っ赤にしたおばさんは。
足元だけを見て、何分歩いたか。
すごいイライラした人に「オイ!」と声をかけられた。
あ、とうとう職質か!
そう思った。
なぜかちょっとワクワクまでした。
――したのに。
そこにはおまわりさんじゃなくて、
息を切らしてブチきれそうな潤がいた。
「なんでっ……!」
息を整えながら、表情だけで怒りを訴える潤。
「そら、こっちの台詞だっつーの!なんのつもりだよ
昨日の夜だって途中で泣いたり、
朝なんも言わずに出て行ったり
今こうして泣いてんのだって!
なんがあったかぐらい言えよ!
恋人だろ俺の!」
今まで潤の口からは聞いたことない言葉遣い。
「恋人、だけど。
潤は、他にも大好きな子がいるんでしょ?」
「……あぁ!?何言ってんだよ」
なにいってんだ、みたいな目で私を見る潤。
別に頭おかしくなったわけじゃないよ。
とりあえずこっち!と、既に開いている喫茶店に引っ張り込む。
なんか話が噛み合いそうにもないし、
何より周りの目が痛い。
テーブルについてから、モーニングコーヒーを2つ頼んだ。
一息ついて私から口を開いた。