~~~だいぶ、日も 傾いてきたので、 母スズメは、仕方なく、家に戻ろうとした時に、フクロウが、やって来て


「ホーホー、ホーホー、」

と、もの悲しげに泣き出したので


母スズメが

「フクロウさん。 私は、ゆうべ、フクロウさんの声が聞こえてきたので、子供たちのベッドに入って、子供たちと楽しい時間を過ごすことが出来たので、いい思い出になったわ。」

と言うと


フクロウが

「えっ、思い出 って、どういうことなの。 まさか、 お子たちは、いないの?」

と言ったので


母スズメが

「子供たちは、イタチに取られてしまったみたいで、 だから、今夜は、家に帰っても寂しいのです。」

と言うと


フクロウが、ますます、悲しきに鳴いてたので、 母スズメが

「フクロウさん。 私のために、わざわざ 、一緒に悲しんで下さって、有難うございます。」

と言いました。


すると


フクロウが

「違うのよ。私も1週間前に、キツネに、子供を取られたのよ 。一生懸命に飛ぶ練習をしていて、 運悪く 地面に落ちた時に、待ち構えていた キツネに捕まってしまったわ。」

と言って


ますます、悲しげに、いつまでも

「ホーホー、ホーホー、ホーホー、ホーホー」

と鳴いているので


母スズメは、フクロウのそばから離れられなくなり、 空が明るくなった時に、母スズメは、きのう 出会った ウサギの夫婦とリスの夫婦の話を、 フクロウにすると、フクロウが、ため息をつきながら


「カラスは、昼間の明るいうちから飛んでいるから、 ウサギたちを見つけるのは、簡単なのよ 。うさぎさんも 、木登りや 空を飛ぶことが出来たら良いのだけれど、 気の毒だわ。」

と言ったので


母スズメが、「チュンチュン、チュンチュン」

鳴きながら、フクロウに迫って行き

「私も、 昼間の明るいうちに飛んでいるけれど、 私は、自分の子供たちが可愛いいから、 よその親御さんの命まで奪いたいなんて、ただの1度だって思ったことは無いわ。」

と言うと


フクロウが

「それなら、 神様のところに行って、お願いを聞いてもらったら、いいわ 。一緒に行ってあげたいけれど、 私は、ネズミを食べるから、神様の所に行かれないのよ。」

と言いました。


そこで

母スズメは、フクロウに教えてもらった通りに、神様のところに行くと、真っ白い手のライオンや 真っ白い毛のトラや 真っ白い毛のキリンたちがいて、 神様に向かって、口々に


「神様私は仲間や兄弟と違う毛の色に生まれたので、 お前は、神様が居眠りをしている間に生まれたんだというのです 。だから、どうか、生まれる前の時間に戻して下さい。」

と言うと


ウツラウツラいねむりをしていた神様が

「同じ両親から生まれた兄弟でも、似ているように見えても、年を老ったり 、病気になってしまったら、似なくなるものなんだよ。」

と言ったので


真っ白い家のライオンが

「でも、兄弟たちからも 仲間外れにされるのは、つらいです 。私にも、仲間が欲しいです。」

と言うと


神様が笑いながら

「仲間なら、周りにいるじゃないか。 それに、私だって、過ぎた時間は、取り戻せないんだから、過ぎたことで クヨクヨすることより、今出会った仲間たちと楽しく生きることだよ。」

と言ったので


母スズメは、森に戻って来て、まだ泣いているウサギ夫婦に会うと


「神様だって、過ぎた時間は、取り戻せないのよ。 だから、戻せない時間でクヨクヨしていても、時間が勿体ないから、楽しい事を考えて、明るく生きていきましょうよ。」

と言うと


ウサギの母親が

「でも、子供が可哀想で、楽しいことなんか考えられないわ。」

と言いました。


すると



母スズメが、空を見上げて 、お月様を見つけると

「あら、きれいなお月様よ。 悲しいのは、分かるけれど、 お月様に、明日こそは、素敵な日で有りますようにと祈りましょうよ 。きっと、素敵な明日が、むかえられるわよ。」

と言うと


ウサギの父親も、空を見上げて

「ああ 今夜は、満月だね。 私たちは、月にいた頃は 、満月の夜には、 必ず、お餅もついたけれど 、仲間たちと、よく歌って踊っていたもんだよ。ね っ母さん。」

と言うと


今まで 、しょんぼりとしていたウサギの母親が

「だって、お父さんが、太鼓 代わりにウスを叩くから、みんな 面白がって 、お父さんに会わせて踊ったのよ。あの頃は、本当に楽しくて、良い運に恵まれていたんだわね。」

と言ったので


ウサギの父親が

「それじゃ、今夜から 、良い運を呼び込むために、 タヌキ くんに手伝ってもらって、みんなで楽しく踊ろう。 そうすれば、きっと悪い運は、逃げていくよ。」

 と言って、 ウサギの夫婦は、タヌキや、 たくさんのウサギたちを集めて来ると


その晩



タヌキの 打つ腹鼓に合わせて

「ポンポコ、ポンポコ、ランランラン、ポンポコ、ポンポコ、ルンルンルン、みんなで、楽しく、ランランラン、も1つ、おまけに、ルンルンルン。」

と、ウサギたちが、まん丸お月様に向かって、歌いながら、腰をフリフリ させて踊るので、その晩は、 母 スズメとフクロウも、 笑いっぱなしの時間を過ごすことが出来て、それからは、 満月の晩には、いっつも、タヌキ くん の腹鼓に合わせて 、ウサギちゃんたちが、楽しく、 夢中になって、 歌いながら踊っていると言うことで、嘘だと思っていらっしゃるなら、満月の晩には、お外に出て、 山に向かって 耳をすませて御覧なさい。タヌキくんの腹鼓が聞こえてきたら、可愛い可愛いウサギちゃんたちが、お月様を眺めながら、 勢揃いして、腰をフリフリ、 楽しく歌いながら踊ってるはずです………とさ。




終わり






最後まで読んで下さり

ありがとうございました

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