昔々、あるところに、小さなお寺が有って、年老いた和尚さんと、5人の小僧さんが住んでいました。
ある日の事でした。
4人の小僧さんが、いつものように托鉢に出た後に、怠け癖がついていて、なかなかお経を覚えない小僧さんが、留守番をしていたので、和尚さんは、その小僧さんを呼んで
「すまないが、山を越えた隣村のお寺さんが、この掛け軸を貸して欲しいと言ってるので、私の代わりに届けに行って来ておくれ。くれぐれも、これは、大事なものだからね。絶対に、雨に濡らしちゃいけないよ。」
と言って、掛け軸が包んである風呂敷包みを渡すと、
小僧さんは、
「和尚さん。大丈夫ですよ。抱えて持って行きますので、安心してください。」
と言って、いそいそ出掛けようとしたので、和尚さんが、あわてて
「これこれ、慌てるんじゃない。まだ話は終わってないんだよ。もしもだが、山の中で、急に雨が降ってきたら、
あみや、あみや、すぐに、やみや と
念仏を3回唱えるんだぞ。それから、霧が出てきて、辺りが真っ白になってきたら、
むみや、むみや、すぐに、はれみや と
やはり、念仏を3回唱えるんだぞ。」
と言うと、
小僧さんは、ブツブツ言ってましたが、
「和尚さん。あみや、あみや、むみや、むみやですね。分かりました。」
と言ったので、
和尚さんが、
「文句が違うのだから、くれぐれも、気を付けるんだぞ。」
と言いました。
注 あみや、あみや、すぐに、やみや
訳 雨よ 雨よ すぐに やんでおくれ
注 むみや、むみや、すぐに はれみや
訳 霧よ 霧よ すぐに はれておくれ
しかし、
せっかちな、小僧さんは、心の中で、なあに覚えなくても、なんとかなるさと思って
「和尚さん。大丈夫ですよ。任せて下さい。」
と言って、風呂敷包みを抱えると、すぐさま、お寺を飛び出して行きました。
つづく
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