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こんにちは、こがね母です。

小さなその子を見たのは5月に入ったばかりの頃でした。
給餌を突然辞めた人が回っていた餌場でのことです。

私も地域猫の公園回りをセーブして住宅街の猫達の給餌を続けていましたから、突然の「辞める」には些か戸惑いました。
辞める事は自由ですが、残された猫達はどうなるのかと…。
頼まれた訳ではありませんでしたが、何とか段取りを考え2月から回っていました。

いつもの様にその餌場付近に行くと、直ぐに私の目に小さなその子が飛び込んで来ました。
急ぎ自転車から降りその子の側に駆け寄りました。
小さくて幼い顔。
優しいクリーム色の長い毛で被われ、体も小さい。
見た目は生後6ヶ月くらいでしょうか。
耳には桜猫の印は刻まれていません。
勿論首輪もありません。
近づくと逃げるのに私を見ていました。

私はごはんを置いて離れました。
その子は食べ終わると近くの集合住宅の敷地内に消えました。
誰かが放し飼いをしているんだろうか。
ならば避妊はどうなっているんだろう、
私は避妊ばかりが気になっていました。
この周辺を去勢出来ていないオス猫が1匹いるのを把握していたからです。
この3ヶ月間毎日通った餌場の中で明らかに初めて見る子でした。

しかし、次の日もそしてその次の日もその子を見かける事はなく時間だけが過ぎて行きました。

私はずっとその子が気になっていましたから数人の方に話し、見かけたら教えて欲しいと頼んでいました。
私は幼い長毛のその子を野良猫のままにしておきたく無かったからです。

初めてその子を見てから出会えたのは3回程でした。
それも毎回違う場所でしたから、捕獲のしようがありません。

そんな折、6/25の夕方のことでした。
奇跡が起こったんです。
探していた子ってこの子ですよね、と言ってご近所のTさんが手にしていたキャリーの中に私が探していたその子が入っていたのです。

餌場近くの集合住宅の中で何度か見かけて今日も見かけたのでネットで捕獲したと言います。
そして状態が悪いので今から病院へ連れて行きますが一緒に行かれますか、と。

キャリーの中を覗かせて貰うと間違いなくその子でした。
私は給餌があり同行できませんでしたから、代わりに娘に行って貰う事にしました。
そして、娘にエコー検査をして貰う様頼みました。

暫くして娘から連絡が入りました。
未だ若く1歳未満。
血液検査はエイズ、白血病共に陰性。
妊娠していて既に堕胎は出来ない状態だと。
エコーに子猫の背骨がハッキリ映り、もう動いていると言います。
出産まで10日から14日。
人には慣れた良い子だと。

私は頭を抱えました。
保護場所がありません。
思い当たる伝手も厳しい状況です。
出産させると2か月間は動かせません。

一方でご近所のTさんはその子を飼いたいと申し出て下さいました。
何度かその子を見てる間におうちに迎えたいと思ったそうです。
ただTさん宅には先住さんが居て、その子に病気があれば飼えないし、まだ家族の了解を得てないので少しの間待って欲しいと言います。
検査の結果病気はありませんでしたから、後は家族の了解だけ。
そしてその子は飼えても子猫までもは無理なので、無事に出産して貰って離乳が済んだら里親さんを探したいと伝えて下さいました。

とりあえずその場はその子を一旦入院させてもらうことにして、
私はTさんに宜しくお願いします、と言っていました。

保護出来て本当に良かったです。
これれからは幸せだけです。
そうTさんが発した言葉が私にとっては何よりだったのです。

Tさんはその子をマフちゃんと呼びました。



〈戸惑い緊張するマフちゃん〉


27日に入院中のマフちゃんを私が迎えに行きました。
体重は2800g。
背骨はゴツゴツと手に当たりますが、お腹はパンパン、おっぱいはもう母になる準備が出来ています。
私はマフちゃんは10ヶ月にも満たない子猫だと思いました。
遺棄された直後に妊娠したのだと思います。
触るとゴロゴロと言ってまだ甘えたい様子の幼いその子は
もうすぐお母さんになるんです。

保護出来て本当に良かったと今更ながら思います。
飼い猫が捨てられ、慣れない外でやっと繋いで来た命がたった2ヶ月間で母猫になる現実。

そのまま外だったら無事に出産出来たかも分かりません。
生まれて来た小さな命だってどうなるか分からない。
幼いその子は遺棄によってたった2か月間の間で知る事の無い色んな辛さを知る事になったのです。



〈お風呂に入って爪を切ってピカピカ〉



幼いその子は今、マフちゃんと新しい名前で呼ばれ、怯えながらの日々から解放され、出産の日を見守られながら過ごしています。

猫や犬は野生動物だからちゃんと生きて行けると的外れなことを言う人間がいます。
何を根拠にそんないい加減な事を言い、彼らを遺棄するのでしょうか。
彼等は野生動物ではなく愛護動物です。
人間と違い今を大切に一生懸命生きる健気な命達です。

 

 

三毛猫あしあと黒猫あしあとオッドアイ猫

 

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