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お盆の最中、8月15日はミコちゃんが亡くなったであろう日から数えて四十九日でした。
1日も思わぬ日はなかった。
ただただ辛くて悲しくて、涙がマスクの中に吸い込まれては貯まって行きました。
そんな日々の中、改めてあの言葉が頭の中でリフレインします。
野良猫に有りがちな事――
各餌場を回る道すがら遠目に見える最後となった餌場へは、心は動いても私は行けませんでした。
ミコちゃんが餌場に姿を見せなくなって4日目、私は何故かもう二度と会えないそんな気がしていました。
Hさんには、もしミコちゃんが姿を見せたら連絡を下さい、私は近隣を探してみますと言いながら、事故に気付くその日まで、予感を振り払い、あてもなく、ただひたすら探して、探して、探して……
ミーちゃん
ミーちゃん!
ミコちゃん、出て来てよ!!
思いもよらない事が現実となり突きつけられた時
ミコちゃんと過ごした日々がひとつひとつ鮮明に思い出され、涙に変わるんです。
忙しさに追われる中で、ふと足を止めた瞬間に心の中に溢れて来る悲しみ。
ミコちゃんの面影。
野良猫を嫌う住宅街で子を産み育て、幾年も野良猫として頑張って生きて来たミコちゃんの、その猫生の結末があまりにも哀れだと
どんな最期だったのだろう。
苦しまずに逝けたのだろうか。
毎日通い、あの場所に立っていたのに、なぜ私は気付かなかったのだろう。
なぜ私はもっと早く気付けなかったんだろう。
せめて遺体だけでもこの胸に抱き、連れて帰りたかったーー
お盆の最終日にふと思い出したミコちゃんとの約束
毎日、給餌の度にお皿に盛ったご飯をパクパク食べるミコちゃんに伝えたこと
ミーちゃん、今日もよく食べてお利口さんだね。
車に気を付けて元気でいてね。
ミーちゃんに何かあったら必ずお母さん迎えに来るから。
自分の弱さ故に、花も手向けに行けず、弔いもせず、ただ涙にくれ、毎日交わした約束さえ忘れていた私です。
迎えに、行こう。
お花を持って、
ミコちゃんの大好きなごはんを持って、
迎えに行こう。
そして私はミコちゃんの最後の餌場に立ちました。
悲しみはどうしたって込み上げてきます。
けれど…
「ミーちゃん、
お母さんやっと来たよ。
遅くなってゴメンね」
約束だったからね
「迎えに来たよ。
さぁ、一緒に帰ろうね」
自転車の前かごの中にミーちゃんが飛び乗った気がしました。
そして、確かに聞こえたんです。
「お母さん、ゴメンね」
私は泣いていました。
ミコちゃんに会いたくて会いたくて会えなった長い長い四十九日間でした。