画家という職業は、本当に身を削る思いで真剣勝負の毎日を過ごす職業だと思った。
そんな画家たちを支えたり応援したりする人々の存在も、大きいのではないか。この物語に登場する4人の画家を支えた4人の女性や男性も、画家の珠玉のような作品に大いに貢献した人たちだ。
マティスの身近に仕えた召使いのマリア。ドガのモデルになったマリー。セザンヌの才能を信じて、画材屋として援助し続けたタンギー爺さん。子供の頃からモネの身の回りの世話や料理をした、モネの義理の娘ブランシェ。
この小説を読み、約10年前に旅行で訪れたジヴェルニーの美しい庭を思い出した。今開催しているマティス展を観に行きたくなった。