お金というものは、人々の生活や人生を狂わしてしまう恐ろしい力があることを実感した。
高校の社会科教師と商社マンという、相反する2つの顔をもつ辛島武史の活躍が、正義感に溢れていてカッコ良かった。教え子黒沢麻紀と彼女の父親の会社を助けたいという、一途な思いが純粋だ。
マネ-ロンダリングに荷担した加賀翔子も、お金のために悪知恵を働かせたのではなく、父親の敵を取るという正義感が根底にあった。彼女の「私を信じて」という言葉に、嘘はなかったことに救われた。
一連の事件で失われたものは大きかったが、黒沢麻紀の父の会社が再興し、麻紀も将来を見つめる生活に戻れたことに安堵した。辛島武史が普通の社会科教師に戻ってしまったことは、ちょっと残念だが・・・。