玄関を開けると、まず、いつもと違う光景が私を待っていました。
靴箱の上に、スワロフスキーのドラゴンを飾っておりまして、
毎日、行ってきます、と、ただいま、の声をかけ、大切にしているのですが、
これがまず、下に落っこちて、所々割れておりました。。。
平面に置いているものなので、まずこれにビックリ!!!
最初からノックアウトされるようなショックを感じました。。。
一番心配していた大型本棚のある仕事部屋を開けようとすると
・・・開かない!!!ドアが開きません!!!
寝室のドアも開かない!!!
そこで台所の方へ行ったら、
電子レンジや食器や食材をのせていた棚が
そのまま流し台に倒れて激突し、
荷物が散乱しているのはもちろん、
レンジのガラス扉が割れて、ガラス片が飛び散っていました。。。
唖然とするヒマを与えず、
リビング側の壁に立っていた、キャスター付きの棚は
そのまま移動して、私の目の前をふさいでいました。
それでも歩みを進めると、
テレビやオーディをラックが傾き、もちろん荷物が散乱。
大量のDVDを入れていた棚の扉も開き、
中からDVDが雪崩落ちていました。。。
あまりのことに、呆然。。。
こりゃ予想以上なのはもちろん、
復旧にかかる時間を考えたら途方に暮れました。
仕事もしなきゃならんし、私一人では
何ヶ月かかるかわかりません。。。
だいたい、ドアが開かない部屋の中はどうなってるんだろう?
不安はつきないのですが、
翌日、大阪に行くことになっていたため、
もう、腹を決め、部屋の中はそのままにして
とりあえず出かけることに決めたのでした。。。
あまりにも普通で日常だった大阪の街で、
ひとときの安らぎを得た後、
自宅に戻って、また改めて途方に暮れていましたが、
とにかく開かないドアをなんとかせねば、と悪戦苦闘。。。
寝室のドアはなんとか開きまして、
やっぱりかなり荷物が散乱していたのを確認。。。
そうだよなぁ。。。
そして、仕事部屋は、といえば、どうやっても開かない。
無理矢理、腕だけが入るくらいの空間を、
どうにかドアが割れず済むギリギリのところで確保し
鏡で中を確認したのは、数日後。
つっかえていたのは、何か箱のようなもの。
台所用品の一部を工夫して、棒に縛り付け、
箱を引き寄せようとしたのですが、ビクともしません。
いっそ箱を壊してしまおう、と思い、
傘で突いたりしましたが、やっぱりビクともしない。
おかしい。。。と思い、デジカメを取り出して、
隙間から写真を撮って拡大してみると、
それは広辞苑でした!!!
そりゃあ、重くて動かないよなぁ。。。
しかも、無理矢理ドアを押して隙間を作ったから、
ドアの境の出っ張りに、当たって、くぼみができ、
さらにストッパーになってるんですから。。。
仕方ない。バールのようなモノが必要だ!
マンションの管理人さんに聞いて探してもらったけど、無い。
たまたま来ていた引っ越し業者さんに聞いたら、持っていたけど、短い。
隣のセブンイレブンに聞いたけど、無い。
逆隣の駐車場の人に聞いたら、やっぱり持ってたけど、短い。
しょうがない。廃材を切って、作るか!
と、ホームセンターに行ってみたら、
長いバールは売ってました。
でも、鉄の塊で、しかもよく凶器として耳にするものを家に置いておきたくなく(^^;
迷っていたら、なんだか、このミッションにピッタリの道具を見つけました。
アスベストはがしというもので、長さも重さもちょうど良い。
一応、自分で作る用に、安全そうなのこぎりも一緒に購入し
家に戻って、まずはアスベストはがしを試したみたら
見事に、すんなり、広辞苑くんを除去成功!
開けてみたら・・・さらに怖くなりした。。。
ドアが開かなくなったのは、広辞苑くんのせいじゃなかった。
大型で、重くて、動きようがないはずの本棚が、
そのままスライドして、ドアに迫っていたのでした!
そこに、たまたま上から落ちてきた、広辞苑の箱が、
うまいこと挟まってくれた。
言ってみれば広辞苑くんは救世主だったのです。
広辞苑くんが挟まってくれなくて、
あの大型で重い本棚がドアに激突していたら、
さらに被害は大きくなっていたでしょう。
ありがとう!広辞苑くん!!!
もちろん、本や資料は落ちまくり、
床は一面、膝より高い位置で山積み&散乱。。。
それはまぁ、予想の範囲内ですが。。。
唖然としたのはもう一つ。
大型本棚の真向かいの壁に、
天井に突っ張らせて置いていたスチール本棚が
途中から折れ曲がっていました。。。
2つの本棚の件と、スワロフスキーのドラゴンの件から、
うちの揺れは、南北に激しかったのだと予想がつきました。
その後も余震が続いておりまして、
なかなか片付ける気が起きず、部屋の中は散らかったまま(^^;
今、ソファで寝てます。
後からいろいろ知りましたが、
横浜も、道路に亀裂が走ったり、
ビルの外壁が崩れたり、ハマボウルの天井が落ちたりと、
目立たないながらも、被災地だったのでした。
まぁ・・・うちだけ、ってことないよな、やっぱりね。。。
でも、東北の皆様のことを思えば、
生きているだけで、幸せです!(^^)
早速、寄付はしましたが、
未曾有の大災害に人間の無力さを思い知らされるばかりです。
ガソリンや食料、水などの買い占め、買いだめも横行しましたが、
私はこうした人間のパニックこそ恐ろしい。
冷静になって考えれば、正しい道はわかるはず。
パニックになることで、天災を人災にしないで欲しい。
買いだめはしなかったので、トイレットペーパーは少々心配になってきましたが、
譲ってくれるという友人もいます。
こうした譲り合いの精神が必要ですよね。
私も、たった1本残った2リットルミネラルウォーターを使わずに
乳幼児を持った知人からSOSが入ったら送るように準備してます。
海外からは、日本人の秩序正しさ、優しさを絶賛されていると聞きます。
せっかく絶賛されているのだから、
その精神は最後まで失いたくない。
今、ストレスがたまる毎日が長く続き、
心が疲れている人が多くなり、
少々のことでキレる人もチラホラ見かけます。
これから、です!これからが勝負です!
被災者に向かって「がんばって!」ではなく、
私たちがまずがんばって、被災者の皆さんを支えましょう。
先週までは人影もまばらだった中華街ですが、
今日は、人出が結構ありました。
経済活動を滞らせないことも支援の1つです。
私もこのところ、毎日外食しています。
まぁ・・・財布にはかなり痛いんですが、私もプチ被災者だし。。。
でも、やれる限りのことは、やっていこう、と思ってます。
ちょっと、自分を鼓舞するためにも書いておきました。
今はただ、皆様の幸せを祈ります。