かつて東京都渋谷区に「こどもの城」という施設がありました。
1985年に国の施設としてオープン。
児童の健全な育成を目的として設立したとありますが、具体的にはプール、アスレチック、ホテル、小児科クリニックなどがあったようです。
入口には岡本太郎氏による「こどもの樹」というモニュメントがありました。
大阪万博の際に造られた「太陽の塔」にどこか似ています。
そして「青山劇場」「青山円形劇場」という二つの劇場がありました。
青山劇場ではミュージカル「アニー」が開館から毎年公演されていたし、円形劇場の方では、比較的小規模な劇団による公演などが行われていました。
どちらの劇場も他に類をみない画期的な劇場でした。
青山劇場は、二つのメインステージがあり、一つは地下に、一つはステージ下手側にスライディングして格納され、さらに一つは回り舞台も完備、一つは9つに床が分割されていて、その9つが独立した「せり」となっていて、上下に可動、ステージ上では2~3mくらい上昇、地下にも下がれるというものでした。
青山円形劇場は、ステージが円形になっていて、ステージを取り囲むように360度が客席という珍しい劇場でした。
ある時突然、閉館するというニュースが飛び込んできました。
2012年に老朽化を理由に国が閉館を決定(この時点で築28年)、2015年1月末に閉館しました。
閉館が決まった時には、ミュージカル俳優や舞台俳優などが反対運動など繰り広げたり、存続要望の署名を集めたりしました。
鉄筋鉄骨コンクリートによる建物で、築年数30年の建物なんて他にいくらでもあります。
老朽化というのは建前で、他に何か見えない力が働いて、閉館が決まったのではという噂が飛び交いました。
私にとって「青山劇場」は特別な場所でした。
1986年から2008年までの23年間、少年隊が毎年7月におよそ一ヶ月間のミュージカル公演を行っていました。
私は少年隊ファンの時期があり、1989年からラストの2008年まで、20年間に渡り毎年ミュージカルを観に行きました。
ミュージカル公演が終了したあとは少年隊としての活動はなくなりましたが、しばらくはファン(クラブ加入)を続けていました。
今年の春にファンクラブを止めましたが。
それでも青山劇場が無くなると聞いた時には、少年隊ファンはみんな寂しさを感じていました。
思い出の場所、特別な場所なのです。
そして今朝のニュースで「こどもの城」が取り壊されずに改修の方向で、都が国と交渉することになったと知りました。
保育園や高齢者の生涯学習施設、劇場として使用する方向で都が進めるとのこと。
青山劇場という名前が残るかは分かりませんが、建物が取り壊されないという方向で進みそうだと分かり、なんだかとても嬉しくなりました。
今まで取り壊されずに残っていたということも知らなかったので驚きましたが、できれば青山劇場と青山円形劇場は、なるべくそのままの形で残ればいいな~と…😌