人事部のO部長と話した後
私は義母に「話したいことがあるのでお邪魔してもいいですか」とLINEを送った。
義母はとても穏やかな人だけど、間違ったことをした人間には厳しい人だった。
善悪の判定がしっかり出来る人。
そういう人だから、とても信頼していた。
義実家に着くと、義母はにこやかに出迎えてくれた。
私はやはり世間話をする余裕もなく
「実は○○さん不倫してるんです」
とすぐに話し始めた。
義母は「ごめんね」と言いながら私の話を聴いてくれた。
そして、一通り話した後、義母から衝撃的な事実を知らされた。
実は義父も昔、あまりに性欲が強かったので
「不倫はダメだけど、風俗なら許す」と言って義母からコンドームを渡していたらしい。
学生時代は彼女を孕ませて中絶させたそうだ。
そして義母もまた中絶経験があると。
この父にしてこの子あり。
正直ドン引きした…
でも義母も辛い思いをしてきたのだ。
だからこそ私の気持ちを理解してくれるだろうと期待したし、「出来ることはするから」と言う義母をこの時は信じていた。
そして私は義母に一つお願いをした。
数日後には夫は実家に帰り別居が始まってしまう。
証拠探しをするには絶望的な状況。
だから、義母に夫(息子)との会話を録音してほしいとお願いしたのだ。
しかし
返ってきたのは期待外れな答えだった。
「私は息子を信じてるからそれは出来ない。不倫を止めるように話してみるから」
義母にとっては可愛い可愛い息子。
やはり息子を騙すようなことはしたくないのだろう。
その気持ちは理解出来たが、夫が簡単に不倫を止めるだろうか。
そう思ってもそれ以上は頼めなかった。
今は信じて任せるしかない。
そう思って義実家を後にした。