僕はスマホを返しに妻の元へ向かった。

僕が到着すると、妻は家から出てきた。

僕『いやーごめんごめん』
妻『本当いつもおっちょこちょいだよね!』

妻の口調は穏やかではなく、僕も馬鹿にしてるような口調だ。

僕はいつも妻には馬鹿にされている。でも、僕のせいで迷惑をかけてきたので、これまで妻の言いなりになってきた。これまでの思いと今の状況が、僕をさらに暴走させる。

僕『この前、実家に帰るって言ってた時、店長と会ってたよね?』
妻『何言ってるの?会ってないよ』
僕『スマホ調べさせてもらったから』
妻『…え?』
僕『だから、スマホ調べて証拠取ってるから言い逃れできないよ』

決定的な証拠はなかったが、僕はここで大きく出た。

妻『…』
僕『仕事から帰ったらちゃんと正直に話してね』
妻『…』
僕『じゃあ、仕事に戻るから』
妻『…』

これで妻も観念しただろう。


僕は完全にそう思っていたが、そんなに甘くなかった。