東京に戻ってきたばかりの自分を思い描いています。

実家の縁側に座りながら、ぼんやりとした時間を過ごすひととき。
庭では、祖母が植えた椿の花が今も変わらず咲いています。
私は台北から、もう一度ここへ帰ってきました。

LM500hを購入すると決めた時、台湾の友人たちは笑いました。
「日本で右ハンドルの“おもてなし用ミニバン”に乗るの?ちょっと大げさじゃない?」

でも、私にとってそれはただの車ではありません。
それは、これから息子を学校へ送る朝の光であり、
家族で旅行をするとき、彼女が足を伸ばしながら

「やっぱり故郷の秋は心地いいね」と言える空間であり、
幼い頃の記憶と今の自分、台北と東京をつなぐ一本の道でもあります。

この車を選んだ理由は、きっと「あの静かな安心感」なのだと思います。
それは、私の記憶の中にある京都の町家の暖簾と、とてもよく似ています。
外では風雨が吹き荒れていても、中は穏やかで温かい。

4人乗り仕様で、仕切りを上げれば、小さな移動する和室のようになります。
台湾から持ってきた茶器や本を載せて、

たとえ東京の高速道路で渋滞に巻き込まれても、心はゆったりとしたままです。

販売スタッフの方がハイブリッドシステムについて丁寧に説明してくださっている時、
ふと幼い頃のことを思い出しました。

祖父のトヨタ・センチュリーの車内には、いつも淡い革の香りが漂っていました。
祖父は昔、こう言っていました。
「車は、家の延長なんだよ。」

今、私はこれから10年の暮らしを詰め込むことのできる、
そんな“延長”を選びました。

栗紫色のボディに、真っ白なインテリア。
まるで桜と夕焼けを、一台の移動する茶室の中に閉じ込めたようです。🌸

来年の春、その車は竹垣のある新しい家の隣に停まります。
私は息子を乗せて、瀬戸内海沿いをゆっくり走りながら、こう伝えるでしょう。

「お母さんは、ここからずっと遠くへ歩いて行ったけれど、またここへ帰ってきたんだよ。」

人生の折り返し地点に立って、私はようやく気づきました。

故郷とは、必ずしもずっと留まり続ける場所ではないのかもしれません。
どれだけ遠くへ行ったとしても、
すべての物語を持ち帰りたいと思える場所——それが「帰る場所」なのだと思います。

そして、良い車とは、その物語を最初に乗せてくれる、動く「家」なのです。✨