手のひらを擦り合わせ、息を吹きかける。

 

白い粉が膨らむように。

 

ダルハン・ヴォーンは日当たりのいい窓の近くで座っていた。

 

岩を転がす鳴き声。

 

凍りつく時間の渦。

 

蛇の毒が全身にたどりつく。

 

道路の真ん中に横たわる魚に下半身はなかった。

 

月の光に照らされた臓器は宝箱の中を開いたように奪われるのを待っていた。