みなさま、こんにちは。

あっという間に3月中旬、学生の皆さんは卒業シーズンでしょうか。

大人にとっても3月は年度末、退職や転職が多い時期ですから慌ただしく感じますね。


 さて、本日は心臓リハビリ第三弾。

今日は心臓リハビリに特徴的な検査について書いていきたいと思います。


その名も、「心肺運動負荷試験(しんぱいうんどうふかしけん)」です。


 心臓の病気を抱える全ての患者さんが行う検査ではありません。この検査をするには専門の機械が必要ですので全ての病院でできる検査ではありません。


 検査の内容ですが、患者さんは心電図を装着し、マスクを付けて

・トレッドミルで歩く

もしくは

・サイクルエルゴメータをこぐ

という検査です。

トレッドミルはベルトコンベア型の機械、サイクルエルゴメータは自転車型の機械です。

どちらもトレーニングでも使われるのでジム等で見たことがあるのではないでしょうか。

ちなみにどちらで行う場合も時間が経過するにつれ、負荷が上がっていきます。

スタッフから終了の指示が出るまで、合図に合わせて歩く or ペダルをこぎます。


何のためにこの検査をするのか、というと

「自分の心臓がどれくらいの運動負荷に耐えられるのか」

を知るためです。


自分が心臓の病気にかかったら、と想像すると、動くのが怖くなりませんか?

実際、心臓の病気を治療して退院した方の多くが、動くのが怖くなってしばらく家にとじこもってしまうのだそうです。

そうすると、筋力も体力も落ちてかえって動けなくなってしまいます。


ですから、この検査を通じて自分の限界を知ることで「動く」ことへの恐怖感をなくし、

自分の心臓にとって安全な範囲内でスポーツをしたり、

仕事をしたりするよう自分で気をつけられるようになります。


 検査中、スタッフは患者さんの運動中の血圧変化や心電図の変化を観察します。

また、装着したマスクは患者さんが吐いた息を回収し、機械がその組成を分析しますので、その結果をスタッフがさらに解析して心臓の状態を把握します。

この結果をもとに、

・今の心臓が最大限働けるのはどこまでか

・心臓にとって安全な運動や作業内容

が患者さんに伝えられます。


 研修初日は画面のどの数字が何を表しているのかさっぱりでしたが、5日間毎日見て先生に指導していただいたおかげで、見方と分析の仕方がほぼ理解できました!

研修先の先生方に感謝です。

患者様がみなさん「これくらい動いても大丈夫なんですね」と言って帰って行かれるのが印象的でした。


 運動をすることは再発予防のひとつです。

もちろん個人によって適切な運動量はことなりますので、負荷が不安な方はかかりつけの先生に相談して行うようにしてくださいね。