さて、股関節の痛み、続きです。今日は、股関節自体に原因があるケースです。
股関節は、骨盤と大腿骨という骨から構成される関節です。専門的には「臼関節」といい、骨盤側は臼をひっくり返したような形状をしています。一方、大腿骨側は先端がボールのように丸くなっています。臼の形にボールがはまることで、安定して足をいろんな方向に動かすことができるのです。
この股関節を構成するもの、ほかにどんなものがあるかといいますと・・・
・骨:骨折(疲労骨折や剥離骨折)など
・軟骨:関節症など
・関節唇(かんせつしん):唇損傷など
・滑液包:滑液包炎など
・筋肉:肉離れや挫傷、過労、過緊張など
・靭帯
・関節包
などなど・・・
股関節の靭帯はからだの中で一番強い靭帯があるため、損傷するというケースはほとんど聞きません。そのほか、上にあげた構成組織は股関節の痛みになりうるものです。
注意していただきたいのは、痛みの原因はひとつではない可能性があるということです。また、痛みが慢性化している方の中には、どれかひとつが原因というわけではなく、筋力のバランスや関節の動きの低下に姿勢の悪さや普段の生活、はいている靴などが影響し、関節の動きが変化してしまい、痛みが出る方もいらっしゃいます。こうした複合的な要素をもつ痛みは原因がひとつでないため、原因の特定には時間がかかることもあります。