イティハーサ 読みました♡

 

今回の記事は長いです。

 

【あらすじ】

 

幻の古代大陸である

「有蘇耶(アスカ)」と

「無有(ムウ)」が滅びた後…

 

(※滅びた理由は後ほど、)

 

1万2000年前の古代日本の話。

 

「見えない神々」が、さまざまな

智慧を授けてくれていたが

見えない神々は、いつしか

「消えて」しまったように思えた。

 

鏡・剣・勾玉

三種の神器を残して…

 

見えない神々は、争いではなく

「和」を重んじていた

はずなのに、「なぜに剣?」

 

そのような疑問が

うまれたのであった。

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

見えない神々が

消えてしまった後

 

次第に「見える神々」の

影響が強くなった。

 

見える神々には、「善い神」

「悪い神」がいる。

 

優しさや愛に、惹かれるものは

善い神々についたが

 

暴力や、悪の強さに喜びを

感じる者たちは、悪い神についた。

 

悪い神々の指示で

善い神々の村は、襲われ焼かれ

 

子供はさらわれ、悪い神の

教えの中で育ち染まってゆく。

 

見えない神々を信仰している

村も、まだ残っており

 

見えない神から教わった

「真言告(まことのり)」を

使うことができる。

 

真言告(まことのり)とは

陰陽の石の力を使い

 

病気を快復させる「陽」と

破壊などに使う「陰」の

エネルギーを操ることができるのだ。

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

 

善い神々は、富士山のふもとに

集まって、桃源郷のような村を

作っていた。

 

トップは天音(あまね)。

人々は、天音を信じ祈りを捧げ

幸せに平和に暮らしている。

 

中には、悪い神々の信者も

いたが、記憶を消してもらい

平和に暮らしているのだった。

 

天音を信じれば

誰もが救わる世界。

 

 

 

悪い神のトップは、鬼幽(きゆう)

鬼幽は、この世界の仕組みのような

ものを「知りたい」と求めていた。

 

聖地、十和田にいくと

善い神も悪い神も消滅して

しまうという。

 

神々は、その謎を怖れ

「見えない神々の意図や叡智」を

知りたいと考えていた。

 

その謎に迫るために

富士山に向かう。

 

富士山には、十和田へ続く

神の路(鳥居)があるからだった。

 

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

 

富士山のふもとにある

桃源郷のような村は、

善い神トップの天音が

中心であったが、

 

その村を「理想郷」として

作ることに尽力したのは

滅びた「有蘇耶(アスカ)」の

生き残りの者だった。

 

「有蘇耶(アスカ)」は高度な

文明が進み、それ故に

争いが生じ、滅びてしまった。

 

交流はなかったが、同じ時期に

「無有(ムウ)」という

大陸があったことを知っており

 

そこが、愛にあふれる桃源郷の

ような場所であったことから

 

富士山の麓に、「無有(ムウ)」を

再現しようとしていたのである。

 

そして、桃源郷を守ろうと

するあまり、反するものは

皆殺しにするという

偏りも生まれた。

 

やっていることは、悪い神と

変わらないようにも見える。

 

❀・*:。✡* 

 

 

理想郷だと思っていた

「無有(ムウ)」は、実際には

平和と調和が過剰であったため

人々は進化しようとしなくなり

滅びてしまったのだった。

 

 

富士山の麓の村で

起きていたのは、まさに

「無有(ムウ)」と同じ。

 

人々は、天音さまだけを信じ

考えることをやめ、神に依存し

祈り続け、「平和」で「幸せ」

に見えるが、一方で

 

他の生き方も、進歩もなく

人間として考える力も

葛藤もない。

 

 

ひとつのものを信じすぎ

依存し自分の力を明け渡し

成長することをやめてしまう。

 

このような現実に、疑問をもち

打ち勝とうとしたものがいた。

 

三種の神器である剣は

天音を切り、消滅させたのである。

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

 

なぜ、三種の神器に

剣があったのか。

 

それは、見えない神々によって

この戦いは、意図して

起こされたものだったから。

 

遠い10000年後の未来に

「唯一神」が現れることは

わかっており、その時に

むけての試みであった。

 

その時に、人々は「唯一神」を

退けなければ破滅する。

 

「無有(ムウ)」が破滅したように。

 

天音に立ち向かうことで、

人類は、「進化」する力と運命を

選択することができた。

 

そして、戦いの記憶は深く

魂に刻まれるからこそ

この戦いは、起こされたのだった。

 

10000年後に、再び人類が

滅びではなく、進化に向けて

すすむ「魂の記憶」として

刻みつけるように。

 

 

(鏡は、その唯一神を

退けるための武器になる。)

 

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

あらすじには、あえて

登場人物を省いて

書きました(❃´◡`❃)❀・*:。✡* 

 

そのほうが流れがわかり

やすいかな~って思って。

 

 

ムーと、アスカの古代文明は

なんとなく、レムリアと

アトランティスにも通じそうだな~って

思いながら読みました。

 

 

個人的に衝撃だったのは、

悪い神のトップ鬼幽(きゆう)は

実は、善い神だったということ。

 

善い神だけでは救えないものも

いると感じ、敢えて

悪い神として、活動していたの。

 

そして、人間には善悪どちらも

あるから、残酷な部分

悪い部分を排除すること自体が

 

きっと無理だし、そうする必要は

ないのだと思う。

 

「人は揺らいで、人となる」

 

このような言葉が出てきましたが

 

善悪にもゆれ…

愛や憎しみにも揺れ…

喜びと悲しみに揺れ…

決意と後悔にゆれ…

 

それが、人間なのだろうなぁと

感じました。

 

 

 

゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚

 

 

そしてここからは、

登場人物たちについて

書いていこうと思います♡

 

ひゃー♡

 

書き欲が満たされて

楽しいですー(*´∇`*)♪

 

長いぞ♡長いぞー♡

 

 

イティハーサ1【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

 

透祜(とおこ)は、双子で

生まれて間もなく、川に

流されてしまう。

 

透祜を見つけてくれたのは、

鷹野(たかや)。

見えない神々の村で、兄妹として

育ちます。

 

透祜の母親は巫女だったようで、

不思議な力の素質を

透祜も受け継いでいる。

 

双子の夭祜(ようこ)は

7歳まで巫女としての

教えを受けて育っていたが

 

悪い神に連れ去られて

頭に輪っかをつけられてしまう。

 

自分の肉体が傷つくと、

相手が死ぬまで攻撃をするという

機能がある輪っか。

 

双子のため片方が死んだら

もう1人も死ぬらしく

 

夭祜は、苦しくても

透祜のために生きてきた。

 

そして、二人が出会ったら

どちらかが死ぬとも予言されており

 

頭に付けられた輪っかのせいで

夭祜(ようこ)は透祜(とおこ)を

殺してしまう。

 

しかし2人の魂は、ひとつとなり

ふたりの記憶を持つようになった。

 

善悪の要素を溶け合わせ

強く生きてゆく女の子。

 

 

イティハーサ2【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

透祜(とおこ)を見つけて

育てた、鷹野(たかや)

 

その名の通り、突然背中にこぶが

でき、割れて翼が生えてきた。

 

普通なら死んでしまうほどの

痛みに耐え、とても強い。

 

善い神に認められ、求められ

富士山の村を護るために

まるで「武器」のように

利用されてしまう。

 

悪い神や、その信者がくるのを

全てきり殺すという役割。

 

透祜を溺愛しているが

忘れるように記憶を変えられ

 

透祜の姿も見えない

彼女の声さえ聴こえないように

操作されてしまう。

 

やがて、そのコントロールから

抜けた鷹野は

善い神のトップの天音を

剣で切ったのだった。

 

印象的だったのは

透祜も鷹野も、天音を

求めていなかったこと。

 

 

そして、天音を殺したら

鷹野も死ぬように、

術をかけられていた。

 

そのため、鷹野は命を落とす。

 

 

イティハーサ3【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

 

青比古は、最初から

悟ったような感じの人。

 

個という概念が薄く、

湖にうつった月のようだと

比喩されたような

静けさをもつ人物。

 

真言告(まことのり)を

透祜も鷹野に教えた。

 

家系的に、若くして廃人に

なるという運命を背負っている。

 

善悪の区別もわからない…と

いうほどに、自他の区別が薄く

透明感と儚い雰囲気を纏っている。

 

運命なら仕方ないと

死をも受け入れている青比古は

桂という女性から、強く深い

愛を向けられる。

 

だが、それにこたえることは

出来ないと思っていた。

 

しかし、人との出会いで

青比古は、少し変わった。

 

廃人になったとき

自分の肉体を桂に届けるよう

頼んでいたのだった。

 

天音が死に、富士山の村で

穏やかに暮らす桂のそばには

自我を失った、青比古がいた。

 

そして、見えない神々の使いから

「人類に必要な魂だ」と、

奇跡を与えられる。

 

目が覚めた、青比古は

桂を見つめ、抱き寄せ

「……(愛してる)」と

耳元でささやくのであった。

 

 

 

 

イティハーサ4【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

桂(かつら)めっちゃ強い女性。

 

善い神の信者であり

村を焼かれ、困っていた

透祜・鷹野・青比古を

自分の村に受け入れた。

 

聡明で真っすぐで、青比古にも

信頼をされている。

 

桂は、10歳のころに悪い神の

信者に親兄弟を殺され

顔に傷をつけられた。

 

その恨みを燃やしていたが

青比古という存在で、

その恨みも消えてしまう。

 

自分の想いは、叶わないことを

知った桂は、女として見なくていい

青比古を護る剣だと思って欲しいと

伝え、傍に居たいと願った。

 

離れ離れになることが多く、

青比古に焦がれていたが

 

最後に、廃人になった青比古が

桂のもとに、届けられた。

 

奇跡的に、青比古が

目を覚ました時

喜びのあまりに、泣き叫ぶ。

 

その姿にすごく感動…!

 

桂ーー♡良かったね―――って

思いました。

思いもしなかったハッピーエンド!

 

めっちゃ良い!

 

イティハーサ5【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

一狼太(いちろうた)は、

弱さと強さと、愛と憎しみが

ごちゃ混ぜになっている感じが

すごかったー!

 

悪い神・鬼幽のもとで

成長してきましたが

 

「戦い続けてしまう輪っか」が

頭に付けられる前に一緒に

逃げようと、女の子にお願いされ

善い神の信者になります。

 

そこで、自分を信じてくれた

桂に惚れて、その愛を

心に秘めてきました。

 

でもそこに現れた青比古に

桂が心底惚れて救われ

 

青比古を心から

愛している桂を見てしまい

青比古に、激しく嫉妬し

殺意を抱きます。

 

そして、一狼太は再び

悪い神の信者となります。

 

悪い神、鬼幽は

一狼太のようなものが

「善」だけでは救われないのを

感じていました。

 

殺すことに快楽を感じて

しまう一狼太。

 

どす黒い気持ちを

どうすることもできない一狼太。

 

そんな一狼太に一目ぼれした

女がいます。

盗賊の「黄実花(きみか)」です。

 

黄実花は一狼太にに付きまとい

激しく一狼太を求めますが

一狼太は桂のことが好き。

桂は、青比古が好き。

 

一狼太は、青比古が桂を置いて

天に意識がのぼってしまうのを

ゆるせなかった。

 

だから、「自分を殺させること」で

青比古の魂が、地上に留まるよう

意図する。

 

(このアイディアは、

黄実花が一狼太に教えた。)

 

もうねー!黄実花も本当に

いい女すぎるんだよー

 

愛する一狼太が、

青比古に殺されることで

救われるのを知っていて

 

きっとその方法でしか

一狼太は、救われない。

 

青比古も、一狼太の頼みだから

殺す…そして、自我は崩壊し

運命通り、廃人になってしまう。

 

 

廃人になった青比古の

肉体は、桂に届けられる…

 

これも、黄実花が

器(肉体)だけでも

存在してくれると嬉しいものだと

教えたから。

 

黄実花の人の内側に作用する

活躍がすごいなぁ

とっても、可愛いなって思います。

 

青比古の魂を地上に繋ぐ

そのために自分の命を使う。

 

一狼太にとって、桂のために

出来ることは唯一、

これだったのだろうな…。

 

とても複雑ですが

愛も憎しみも、深すぎる…と

感じました。

 

 

 

イティハーサ6【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

 

夜彲王(やちおう)

 

もっとも不思議な存在の夜彲王。

 

桂の弟は

生まれてまもなく死に

 

見えない神々に捧げられ

夜彲王となった。

だから、桂に似ている。

 

最後に、青比古を奇跡を

与えるために登場し

青比古は意識を取り戻す。

 

桂と姉弟として言葉を交わして

いたのも、なんだかよかった♡

 

 

❀・*:。✡* 

 

夜彲王は、見えない神々を

具現化したような存在だが

人としての経験がない。

 

善悪を知るものと、魂を

重ねることで、人でもあり

人類の行く末を見続ける

存在となることができる。

 

夭祜(ようこ)は、多くの人を殺め

透祜(とおこ)は、多くの人を笑顔にした。

 

2人の魂が溶けあった

「善悪を知る存在の透祜」と

魂を重ねたのだった。

 

 

イティハーサ7【電子書籍】[ 水樹和佳子 ]

 

 

とても、スケールと大きな

お話でしたが、夜彲王と透祜は

溶け合い、その日を待つことに

なります。

 

その日というのは、10000年後

唯一神が、訪れて再び

人類が「選択」をするとき。

 

完全なる調和をもたらす

唯一神を退けなければ

すべてが「無」になってしまう。

 

見えない神々でさえも。

 

全てを跳ね返す「鏡」

それは武器にもなる。

この鏡を使うのにふさわしい命を

透祜は知っている。

 

信じ愛し続けてきた鷹野。

 

 

これから10000万年の間

鷹野は転生を繰り返すだろう。

 

そして、その時が来たら

転生した鷹野に鏡を託す。

 

透祜は、必ず鷹野の魂を

見つけることができる

透祜にしか、見つけられない。

 

魂が、鷹野を求めているから。

 

(再会は、10000年後かぁ…)

 

透祜と、鷹野

出逢えた時、すごくすごく

喜びに震えるのだろうなぁ…

 

 

イティハーサ