清水の舞台というものが私さらさなにあるとしたら、この時に立っていたのがそこかなあ…と。


今年1月末、ついに念願の本場結城紬の八寸帯を買いました。





「本場結城紬展-糸」。まさに結城の里の織元さんたちが貴重な本結城をたくさん携えていらしてくださる巡回展です。2017年1月、たまたま立ち寄り、実演を拝見。本場結城紬の新反を着せつけていただき、この織物の魅力の虜になりました。

(その時の模様はこちらから。↓)





祖母、母、友人知人から受け継いだ本結城は何着かありますが、いつかは自分のための本結城がほしいなあと思っていたのです。


ご存知の通り、本結城は高価です。一反が七桁するものをそうそう購入はできません。でも一反が織り上がるまでの細かな分業や緻密な作業、それにかかる膨大な時間を考えると、その価格設定はむしろ良心的だとすら思えます。重要無形文化財指定されていることにも納得です。


そうは言っても私、バリバリの庶民。ほしいからという理由でひょいと一反お買い上げ…というわけにはまいりません。こちらの巡回展に通うこと6回、丸5年熟考を重ねて、ようやく決心。


まさにまさにキヨブタの心で、えいっと購入したのが、件の八寸帯でございます。



こちら、「結」印の証紙付き。この証紙を使えるのは、結城でも以下の織元さんだけ。


(画像お借りしています。)


   (千成堂さんのブログよりお借りしました。ありがとうございます。)


私が購入したのは、藤貫株式会社つまり、「結城龍田屋」藤貫成一社長のおすすめで購入させていただきました。


本場結城紬というブランド力だけでは新規の顧客開発は難しいのが現状だそうです。日常的に着物をきる習慣が失われたこの国で、結城紬が生活から乖離した芸術になってしまうことを織元さんたちは憂えていらっしゃいます。そのためもあり、伝統的な本場結城紬以外に、本結城の糸を使って新しい織物を開発していらっしゃる。その試みの一つが、柄織出しの八寸帯なのです。


私が購入したのは若草色系の網代柄。着物に乗せると立体感が出ます。とても軽くて締めやすい。真夏以外はいけそうです。すごく嬉しい。




(左から、縞屋井上社長、さらさな、結城龍田屋藤貫社長)





(こちらは昨年のパンフレット。)



私にしては大きな買い物でしたが、多分本場結城紬の価格をご存知の方には信じられないくらいリーズナブル。これだけ汎用性が高く、しかも、「結城三代」。われながらいい買い物したと思います。


仕立ては自分でもできたのでしょうが(トンネル仕立て)、ここは万全を期して和裁の師匠にお願いしました。松葉仕立てです。


GW後半に仕事で上京予定なので、その折に締めたいと思っています。


本場結城紬80亀甲縮の単衣に合わせる予定。気温が高そうならまた考えます。





コーデが楽しくなってきた!


結城の里のみなさま、ありがとうございます♪