映画「デンデラ」の打ち上げで打ちのめされる | 月船さららオフィシャルブログ「サララテキカタルシス」by Ameba

映画「デンデラ」の打ち上げで打ちのめされる

今日、映画「デンデラ」の打ち上げに行ってきました。
そう、「デンデラ」といえば、撮影中からなにかと話題になっていた浅丘ルリ子さんが主演の映画。
雪山に捨てられたお婆さんたちが、実は生きていて、なんとムラを作り、自分達を捨てた村に復讐しようという映画。50人のお婆さんのアクション映画!!クマとも戦う!

監督は・・・やはり気の狂った映画と言えばこの方でしょう、天願大介さんです。
metroの専属演出家でもあり、「楢山節孝」の今村昌平監督の息子さん。

で、実は私、ワンシーンですが、回想シーンで出させてもらっております。
(だって、雪山のお婆さんのシーンが95パーセントくらいの映画なんだもん、出るとこなし!)



で、打ち上げ。


もう、ただただ凄かった!!
感動した!!


打ち上げで流されたメイキングで、最初にお婆さんに扮装した大女優さんが雪が吹雪くなか並んでる写真が映り、それ見た瞬間、本当に鳥肌がたった。
一枚の写真からのエネルギーの凄さに感動した。
その一枚から、大女優さん達が、大ベテランスタッフさん達が、雪の深い深い庄内で、命かけて、映画を撮ったんだってことをひしひしと感じた。

これに似た感動は実はクランクイン前の本読みでも感じました。
50人の40代から上は86歳までの女優さんがほぼ50人、
60代から100歳までのお婆さんを演じる。
本読みよといえども、浅丘さん、草笛光子さん、倍賞三津子さん、山本陽子さんほか、新劇からアングラ、SKD、ロマンポルノ、いろんなジャンルで御活躍されている女優さんたちがぶつかり合う。
台本に「老婆達、くすくす笑う」とか書いてても、実際この50人の女優さんたちがそれをすると、それだけで迫力。そしてコミカル。とにかく笑えた。そして、時に泣けた。
その本読みに35歳の若造さららは一番端っこの席で緊張と感動で震えていたことを思い出す。
私は残念ながら雪山お婆さんチームではありませんよ(笑)
雪山お婆さんチーム以外で台詞あるの、3人くらいなので、私、その一人(笑)
歴史的な一瞬に立ち会ったように感じた。
本当にその場にいれることに感動した。


で、打ち上げ。

メイキングではどれだけ雪が深くて、大女優さん達がどれだけ寒さに耐えながら、スタッフさんがどれだけ苦労しながら撮ってきたのかということが伝わってきた。
私、たった一日に撮影だったけど、寒さと雪の迫力に本当に驚いたもの。
あの寒さよ!
あの雪よ!
例えば私のお父さんやお母さんくらいのお歳ですよ。お父さんやお母さんが、もし、あの雪の中にいたらと考えたら、私は緊急に避難させてしまいますよ!
そこで、何時間も撮影して、台詞覚えて、人物を演じて・・・。
有り得ない!!

メイキングではある印象的なシーンの撮影風景も流れてて、そのシーン観て、涙が出てきた。
現場に来ていなかったはずのマネージャーまで泣いてた。
映画ってすごいよ!!
メイキングで天願さんが言う
「この企画を持ってきたプロデューサーは気が狂ってるかと思った。でも映画とは、いかに気が狂っているかを競うチキンレースのようなものだ」
素晴らしい。


スタッフさん、キャストさんのひとりひとりがコメントを言う。
そのコメントも素晴らしかった。
「世界で一番美しい夜」という、これまた気の狂った、感動的で美しい映画を撮ったときのスタッフさんも沢山。みんな、気難しそうなこだわりのあるスタッフさん。
死にかけながらでも映画撮るし、つまんない映画だったら旅にでてるほうがいいぜ、とか言っちゃいそうな恐ろしい人たちがニコニコお酒呑んで、「こんな面白い現場があるなら、俺はまだ映画界にいてもいいぞ」みたいなこと言ってる。
女優さんも本当に大先輩女優さんだらけ。
ずっと女優をやっていらして、映画が初めての方もいらっしゃるらしいし、「この映画に出れて、女優辞めないでよかったわ」みたいなことを腰を曲げながら言われてしまうと、もうひたすら敬意しかない。
はげしく敬意しかありません。


最後は監督の胴上げ。
私、というかmetro、本当にすごい方とさせていただいていたんだと実感。



6月に公開します。
「世界で一番美しい夜」の公開で出生率があがったかはわかりませんが
「デンデラ」、この映画の公開で確実に日本の平均寿命が伸びてしまうと思います。
生きなくては。
そして、私は女優を死ぬまで続けるであろう先輩女優さんたちに負けてはいけないのであります。
まだまだひよっこ。
まだまだ一喜一憂してる場合ではない。






追記:もう100本以上映画の仕事をされているスタッフさん、Mさんが「世界で一番美しい夜」をご覧になったらしく、とても褒めていただいた。「あなたカッコイイ!あんなこと出来る女優なかなかいない!絶対がんばって!」って強く握手していただいて。
この言葉が、こういうぺーぺーの駆け出しの私にとってどれだけ励みになるか・・・。ブログにこういう事書くの、図々しくて恥ずかしいことだけど。
でも、惚れ込んだ脚本に自分のすべてを賭けた作品だったこらこそ、ベテランスタッフさんに認めてもらえて本当に嬉しかった。
人生って、
映画って、なんだか凄いね。
幸せ。