夜は、芸術劇場小ホールの「三人姉妹」を見に行きました。劇作家・演出家として評価の高い鐘下辰夫さんの演出とその照明技術が世界的に有名だという中川隆一さんが腕を振るった、俳優館の企画でした。ホールの中央にステージが作られ、レンガ色の砂が平らに敷き詰められ、ある時は、沢山のろうそくの明かりだったり、又、効果的な照明角度だったりが、人の動きに従ってかたどられた足跡を波紋のように浮かび上がらせていて美しいと思いました。沙羅が、感動した役者さんは、フェラボントという守衛の老人役をしておられた原 智彦さんでした。立ち振る舞いに無駄な力が入っていなくて、ただうなだれたり、ただ座っているという姿形が実に其れらしく、また、重みがあって素晴らしいと思い見とれていました。
 旅の音楽師役でバイオリンを弾かれていた悠情さんは、開演15分前から歌の伴奏を含め8曲程を披露されていました。
 ご紹介が無ければ、なかなかチェーホフ等暗そうで見ることは無かったと思います。良い経験をさせて戴きました。