今年3月の東日本大震災で、私達日本人の心を育んでくれた美しい自然が、壊滅的な打撃を受けました。それまでは、そこにそうしてあることが当たり前のように思い、感謝することすら忘れてしまっていたのかもしれません。失って初めてその大切さを思い知り、切なくなりました。被災地で行われたチャリティコンサートでは、必ずといっていいほど演奏された「故郷」。皆で、悲しみを乗り越えて再興を誓い合う曲、音楽が人の心に勇気と力を与えてくれることを明確に示した名曲となりました。
「故郷」を聞くと、我が家では、去年末期癌が発見され最期の2週間をホスピスで過ごした義兄の事を思い出します。義兄は、肺癌が脳に転移して、急速に意識障害が起き、病が発見されて僅か2週間で、殆ど体も動かせず、目も閉じたままの状態になりました。
そんなある日、音楽療法士の先生が病室で「故郷」を歌って下さると、義兄の唇が僅かながらも動き始め、一緒に口ずさむという信じられないような出来事があったのです。
音楽が人の心を癒し、体の免疫力や治癒力を向上させる…沙羅はこのことに、深く感動しています。