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私は自分の気持ちも、旦那の事も
何をどうしたらいいのか分からず過ごしていました。
そんなある日、
旦那の給料日2日後、仕事帰り必要なお金を
別口座へ移動させようとスーパーで買い物の前に
ＡＴＭへ寄ったのです。
通帳を入れて、必要な金額を入力しました。
ガチャガチャガチャ･･･
『残高が不足しています』
との表示。
--------えっ･･･？
私は出てきた通帳を見て言葉を失いました。
給料日当日から2日に渡って全額引き出されていたのです。
残高は数百円。
「････」
これって･･･
私は突然目に入ってきた数字の情報に、
錯乱しながら徐々に憤りを感じ始めました。
いつもならそこで電話してしまうはずが、
私はその精神状態を身体の中におさめ、
自分の給料からその日必要な分を引き出し、
夕食の買い物をして、車で家路へ向かいました。
家に着くまでのいつもの見慣れた風景は、
色さえ失って見えました。
私は、仕事を終え、夕食の買い物をし、
家に帰るといういつもの行動をしながらも、
頭の中も心の中も、旦那に対しての激しい憎しみ以外は
全て消えて無くなり、
怒りと憎しみそれだけで自分という人間が
出来あがってしまったような気がしました。
家に着き旦那に電話しました。
プルルルル････プルルルル････
当然ながら出ません、出るはずがありません。
そんなこと分かっていました。
この電話が、私に気付かれた電話だと
旦那は十分、分かっているはず。
着信音の鳴る電話を、
旦那は今どんな思いで見ているのだろう･･･
そして、確実に逃げる旦那と話すには
どうしたらいいだろう･･･
どうしても今の私の気持ちを伝えたい。
この上ない怒りや、ここまできても
裏切られたこの悲しい気持ち。
単純に沸いてくる旦那に対しての疑問。
そして、この状況でこういう事をする旦那の気持ちも聞きたい。
「あれだけ反省している、チャンスをくれ」と言ったのに、
どういう思いでお金を使ったのか？
使う時の気持ちや、もう離婚してもいいと思っているのか？
など･･･
そう思った時、ひとつ思いついたのです、
嘘をついてみよう･･･
今考えれば、こんな嘘をつくなんて最低だし、
思い返しても胸が苦しくなるのです。
少しでも気を抜いてしまえば
泣き崩れそうになる自分を律するように
メールを打ちました。
『もう分かってるよね？何を言いたいか。
通帳を見ました。もう○○（旦那）の事が全く分かりません。
信頼も信用も全て無くなりました。
これだけ裏切られて、苦しい思いをして、
私も、もう生きていく事が出来ません。
死ぬしかないと思ってる。』
そう言ったら電話がかかってくると思ったのです。
どんなに音信不通で無視されようと、
私の命にかかわれば電話をくれると期待したのです。
馬鹿です、本当に馬鹿でした。
だって、そんな最低な嘘をついても、
結局旦那はメールを見ても連絡さえしてこないのですから。
結局旦那は連絡も一切せず、
全て無視して帰ってきませんでした。
翌日の朝、
私は一睡も出来ず、怒りと悲しみと色んな物が混ざり、
どす黒い気持ちのままでした。
すると、旦那からメールが来たのです。
『ごめん。連絡もせず本当にごめん。
ずっと昨日の夜から車で色々考えてた。
家に帰れなくて、色々考えてた。
電話もメールも気付いてたけど、
出る勇気もなくて、
なんて言っていいか分からないし。
こんな事をしてしまって、
自分でもどうしていいか分からないんだ。
こんな自分が分からないんだよ』
私はその文面を見て、
なぜか怒りよりも心配になりました。
何かメールから伝わってくるものが
私を不安にさせたのです。
そして、
『いいから、帰っておいで』
そう返信したのです。
数十分後、旦那は帰ってきました。
部屋に入って私の前に正座し、
ばつの悪そうな顔をしてじっと私を見ています。
「お金全部引き出してあったね･･･」
「････」
「今月の生活はどうするつもり？」
「････」
この時の私は、さっきの心配はよそに
すでに怒りだけになっていました。
「どうすんのよ！！これがどういう事か分かってる？！
給料全部使ったんでしょ？！
頭の中はどうなってる訳？！」
「････、ごめん･･･」
「信じられない！！何を考えてるの？！
あり得ないよ給料全部使うなんて！！
馬鹿なんじゃないの？！」
私は今まで以上に、怒りで頭が一気に熱くなるのを感じました。
そして、旦那の胸ぐらをつかみ、
「お母さんにも謝って！！」
そう言って、旦那を引きずって
母親の前に連れて行ったのです。
母親は何が起きたのか分からず、
そして私の怒りの形相にビックリしていました。
母親の前に旦那を突き出し、
「謝りなさいよ！！自分が何をしたのか話して
謝りなさいよ！！」
そう言いながら、私は感情を抑えきれずに、
旦那に殴りかかりました。
これまで生きてきて、人の事をグーで殴ろうと
思った事などありませんでした。
すると母親は、私を後ろから羽交い絞めにし、
「サラン！！暴力はダメよ！暴力だけはダメ！！」
そういって、羽交い絞めにされた私は泣きながら
「○○（旦那）の馬鹿！！謝れ！！謝れ！」
もうこの時の事は、
これ以上詳しくは覚えていません。
ただ、ただ、怒りの感情があふれ出し
自分では止められなかったのです。
今まで散々裏切られ、嘘をつかれ、騙され、
傷つけらて辛い思いを沢山して、
苦しめられてきた結果がこれだという現実に、
私は自分自身が壊れてしまったようでした。
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