11月10日は守り人の活動日でした。

週の初めから雨の予報でしたが、予報の通り、明け方までどしゃ降りで、活動中はほぼ雨でした。

基本的に、守り人の活動は警報が出ない限り、雨天決行となっています。

こんな雨の日に普通は誰も来ないですよね…、いえいえ、この日の参加者は4名(午前3名、午後から1名)。

加えて、神戸大学の辻先生とトンボの研究などを希望する学生さん2名が参加されるということで、動植物に詳しいNPO法人野生生物を調査研究する会の谷本氏にもお越しいただき、雨でも賑やかな活動となりました。

 

 

皿池湿原の入口付近で、アカマツの倒木が道を塞いでいたため、一番乗りで来られた守り人のハヤシさんと一緒に片付けました。

 

 

倒木を片付けたら、いそいそと館へ向かうハヤシさん。

こんな雨にもかかわらず、とても熱心ですね~。

ご本人は「たまたま予定が空いていたから。」とのこと。

 

 

この日の活動内容は、もちろん湿原内の草刈りの続きです。

守り人は、ハヤシさん、マルさん、ヨシダさん、。そして、谷本氏、神戸大学の辻先生と学生2名とともに、A湿原へ移動しました。

 

 

手刈り班と刈り払い機班に分かれて作業しました。

先生も学生さんたちも、鎌を使う機会はないとのことでしたが、刈り取りの手際がとても良くて、作業がどんどん進みました。

 

 

手刈りが一段落したところで、谷本氏とともに学生さんたちは湿原の観察です。

 

 

谷本氏が見つけてくれたヤゴ(トンボの幼虫)。

まだ小さいけれど、四角い頭の形などから、日本最大のトンボのオニヤンマかもしれません。

皿池湿原には、日本最小のトンボのハッチョウトンボがたくさんいます。最大のトンボと最小のトンボのどちらも生息しているって面白いですね。

生きものの多様性の豊かさを感じます。

 

 

学生さんたちは、モウセンゴケを見てみたいと探していました。

「あ、あった、あった!」

自分で発見するって楽しいですよね。

 

 

刈り払い機班は、ひたすら草刈りに精を出していました。

 

 

カヤネズミの巣について、生きものに詳しい谷本氏に尋ねたところ、草刈りして焼いた草地でも、また草が伸びてくると毎年巣を作っているので、刈ってしまっても大丈夫!とのこと。

 

 

ずっと雨脚は弱く、作業にあまり支障はありませんでした。

午前中の活動はここまで。

 

 

お昼ごはんを食べた後は、学生さんのトンボの研究についての発表がありました。午後から参加のフジイさんも一緒に聴きました。

 

 

発表されたトンボの調査方法に対して、守り人さんがいろいろ質問したり、守り人さんならではのアイデアなどを話されて、とても盛り上がりました。

 

 

発表の後は、G湿原へ行って、また草を手刈りしました。

その後は、守り人さんが学生さんたちに、ほかの2つの湿原や、ヤマドリゼンマイ、コクランなどを紹介しながら、A湿原までぐるっと一回りしました。

 

 

A湿原の刈り取り作業は、ほとんど終わっていました。

 

 

学生さんたちは、楽しかった!また違う季節も見てみたい、とのこと。

 

 

皿池湿原は、何度も訪れても新たな発見があります。きっと、さまざまな魅力を体感していただけると思います。

 

 

あいにくのお天気でしたが、守り人のみなさんも、学生さんたちとの交流を楽しんでいました。

 

 

館への帰り道、イヌセンブリのつぼみや、

 

 

ホソバリンドウのつぼみを確認しました。

まだもう少し、秋の花を楽しめそうです。

 

 

立ち入り禁止の表示のある入口付近に、アキノキリンソウが咲いていました。この場所では初確認です。

 

 

帰る頃になって、ようやく雨は上がりました。

たなびく霧が晴れて、山々が見えていました。

 

みなさま、本日もお疲れ様でした!

次回も、紅葉に彩られた美しい湿原でお待ちしております。