10月14日は守り人の活動日でした。
いよいよ秋の湿原管理のはじまりです!
例年通り、湿原内のヌマガヤや湿原に侵入した木を刈り取りします。
今回は、守り人養成講座(第2回目)を同時に実施しましたので、講座参加者と一緒に安全講習を受講した後に、全員で湿原内の刈り取り作業を行いました。参加者は、守り人12名、養成講座参加者8名。
守り人養成講座参加者は、JR相野駅に集合して、皿池湿原までは徒歩。守り人の集合時間より早めの到着です。
さっそく始まった講座では、講師の矢倉氏より、湿原とその周辺にどんな環境(里山林、ため池、草原など)があるのか、整備と管理の違い、その保全方法や大切さなどの解説がありました。
守り人さんたちも揃ったところで、A湿原へ移動。
全員で、講師の播戸氏による安全講習を受講しました。
鎌を使用した手刈りの方法や、刈り払い機の仕組みや使用方法、注意点などを熱心に聴くみなさん。
講座参加者へ、習ったことを踏まえて、「刈払い機を練習してみたい人、使いたい人はいますか?」と、尋ねたところ、希望者はなかったため、守り人さんたちと湿原内のヌマガヤなどの手刈り体験をしてもらいました。
杭や木の根元周りも、刈り払い機では刈り取りにくいので、手刈りします。
通常は、刈取った草はそのまま置いて乾燥させて、次回に集草することにしていますが、今回は、守り人さんが、草をある程度の山にしてから、湿原の外に運び出し、ブルーシートを使って集積場所へ運ぶという一連の作業を実演していました。
安全講習を受けて、午後に、刈り払い機の練習を始める守り人さんもいましたので、養成講座は守り人さんにも、いい刺激になったようです。
まだ種の落ちていないミズギボウシの周りを手刈りしたり、刈り払い機でヌマガヤを刈っているのはベテランの守り人さんたちです。
「カヤネズミの巣があった!」という声がして、行ってみると、
ありました!
守り人さんが「ウグイスの巣かも?」と話していましたが、カヤネズミと同じような環境でウグイスやオオヨシキリなどの鳥も営巣するそうです。
カヤネズミは、周辺の葉っぱを使って巣をつくりますが、鳥は巣の材料を外から運んできてつくり、形状もお椀型や縦長など異なります。
この巣は、ヌマガヤの葉を丸く編んでいることから、カヤネズミの巣で間違いありません。
「2つありますよ!」というので、少し離れた場所を探すと、
もう一つありました!
この近くに、さらにもう一つ見つかったので、3つですね。
何匹のネズミさんが棲んでいるのか、知りたいものです。
でも、カヤネズミはダミーの巣をつくる習性があるため、同じネズミさんがつくった巣かもしれません。
先月は、この近くでムササビと思われる食痕のある葉っぱが見つかったばかりです。生きものの気配がいっぱいの湿原とその周辺に、さらにワクワクして、テンション上がります!
午前の活動はここまで。
各自が使用したカマや剪定ばさみの手入れをして戻したら、本日の養成講座は終了です。講座参加者のみなさん、お疲れ様でした!
「楽しかった!」と市の担当者に伝えてくれた方もいらしたそうで、その後、8名の方が守り人として登録してくださることになりました。
仲間も増えて、ますます楽しく充実した活動にしていきましょう!
午後は、雨の予報で、草刈りの続きは次回にすることにしました。
花の好きな守り人さんたちは、ため池のり面下の草原をチェック。
イヌセンブリがぽつぽつと咲いていました。
葉は濃い赤紫色に紅葉しています。
フジバカマとスイランも咲いていました。
「スイランがここで咲いているのを見るのは初めてじゃない?!」と、守り人さんたち。タネが飛んできたのでしょうか。
ということで、初確認ですから、皿池湿原とその周辺で確認した生きものの種類と場所を記録している「生きものリスト」に加えておきましょう!
ツリガネニンジンも咲いて、種もできていました。
昨年はたくさん咲いていたナンバンギセルはほんの数株でした。
館前の広場のセイタカアワダチソウを抜いたり、ミヤコイバラを切ったり、
剪定ばさみの手入れ方法を、師匠から教わったり、
たくさん生っているアケビを収穫したり、
午後の時間はそれぞれ好きな活動をしました。
守り人のみなさん、お疲れ様でした!
秋の湿原管理作業はまだまだ続きます~。
次回の活動日も、お待ちしております!