8月13日は守り人の活動日でした。

この日は、猛暑に加えて不安定な天候が心配されましたが、活動中は雲が多めで、雨は午後の活動の解散後に、ごく限られた場所で短時間だけ集中的に降ったようです。参加者は19名(初参加の守り人見習い1名含む)。

 

 

本日活動に参加する、ひょうご環境創造協会のインターンシップ生の兵庫県立大学大学院(淡路景観園芸学校)のマシコ君から挨拶がありました。

 

本日の活動内容は、サギソウの開花調査です。

班に分かれて、A・B・G湿原の開花数を数えました。

 

 

まずは、昨年と同様に、一つの湿原をエリア分けするため、ロープを張りました。

どのエリアにいくつ咲いていたかを数えて、経年変化をみるためです。

(例えば、イノシシの掘り返しのひどかった場所は、翌年、そして2年後はどう変化するか、などをみていきます。)

 

 

B湿原は、5つのエリアに分けました。

それぞれが担当する場所の花の数を数えます。

 

 

ため池近くのサギソウ。

 

 

5つのエリアのうち4つ、とくにため池側2つのエリアは、昨年の倍近くの花が確認できました。

 

 

いつもの場所に、アギナシも咲いていました。

たくさんの丸いつぼみを付けています。

 

 

草陰に鮮やかなピンクがチラリと見えたので、草をかき分けて覗いてみるとミソハギでした。お盆の時期に咲くので「ぼんばな(盆花)」とも呼ばれます。ミソハギ科の多年草で、湿った場所に自生しますが、お盆に花を供えるのため、田んぼの周辺などに植栽されることも多いようです。ここには誰も植えたりしないので、誰かが意図せずタネを連れてきたようです。

 

 

タチカモメヅルがまた咲いているよ!と、みんなで観ていましたが、実は、開花時期が長く、6月から9月頃まで花が見られるそうです。

 

 

近くの地面から丈の短いツルが2本伸びていて、葉っぱの形からみてタチカモメヅルのようです。この場所は、ササに覆われてうっそうとしていましたが、守り人の活動でササを刈って、明るくなった場所です。

守り人さんたちが環境を整えたことが、在来の植物にいい影響をあたえているなら、とても嬉しいですね。

 

 

A湿原は広く、ロープを張る目印を誰かが外してしまったために、手間取ったようです。

リーダーヤマムラさんのもと、協力して、きちんとエリア分けして数えていました。

 

 

A湿原は、広いうえに、花の数が多くて大変です。

 

 

無数に咲き誇るサギソウ。

昨年の1.7倍の数の開花が確認されたとのこと!

 

 

それに比べると、今年はミズギボウシが少ないね、と守り人さんたち。

 

 

サワシロギクはいつも通りに咲いていました。

 

 

G湿原はサギソウが少なく、すぐに数え終わってしまったようです。 

昨年より花が少ないのは、土壌の乾燥とイノシシの掘り返しが関係あるかもしれません。

土壌の乾燥は今年の降水量が少ないためと考えられます。

 

 

G湿原では、この日もハッチョウトンボのオスがたくさん。

 

 

メスも元気に飛んでいました。

サギソウの開花数調査が終了して、トンボたちの観察や撮影も堪能したら、ヒナノシャクジョウとホンゴウソウを観察に行きましょう!

 

 

途中、コクランを観に行くと、花が咲き終わっていました。

先月の活動日のあとに咲いたようです。タイミングが合わなくて、ちょっと残念。

 

 

探していると、だんだん目が慣れて、あちらこちらに生えているのが見つかりました。

 

 

ヒナノシャクジョウはぽつぽつと。

日の差す少し明るい場所にもいるし、

 

 

少し薄暗いところにもいます。

ヒナノシャクジョウは葉緑素をもたない菌栄養従属植物です。

白い花びらのように見える一つ一つが花です。先端が開くと内側は黄色でとても可愛い花なのですが、これはまだつぼみです。

ヒナノシャクジョウが見つった周りをよくよく見ると、同じような場所を好むホンゴウソウが見つかります。
 

 

枯葉の間から、顔をのぞかせるホンゴウソウ。

 

 

一番上が雄花で、下にたくさん付いている球状のものが雌花です。

小さすぎて、なかなかうまく撮れませんが、ピントがぴったり合うと、満足感があります。

みなさん、カメラやスマホで熱心に何枚も撮影していました。

 

 

サギソウだけでもいいのですが、ヒナノシャクジョウとホンゴウソウがたくさん確認できたことで、本日の活動の充実度がぐ~んとアップしたとのこと。

 

 

マシコくんも守り人さんたちとおしゃべり。

今日の活動は楽しめましたでしょうか。

 

 

館へ戻る途中、チョウが飛んできたのを撮影しようとして盛り上がる、守り人さんたち。

本日の、午前の活動はここまで。

 

午後の活動は自由参加です。

この日は、先月の続きの樹名板作りをしました。

 

 

文字を書くのはちょっと苦手だと言いながら、みなさん夢中で書きはじめました。

 

 

樹名板と呼んでいますが、草本や虫の名前もありのようですね。

マルさんの提案で、カタカナの種名の下に漢字表記を書き加えました。このほうがイメージしやすそうです。

窓の空いた白い厚紙は、マルさんお手製の、文字数によって書く間隔を示したものです。やる気がすごいです。

 

 

そこへ、なぜかミヤマクワガタのメスがぽたりと落ちてきました。

 

 

そうこうしていると、ニシキリギリスも突然現れました。

みなさんの応援かな。

いろいろな名前の板ができましたので、次回は引き続き仕上げていきましょう。

 

守り人のみなさま、本日もお疲れ様でした!

次回は、ベンチや観察路のメンテナンスを予定しています。

秋の気配が漂いはじめるこの場所で、来月もお待ちしております!