10月15日は守り人の活動日でした。
気持ちのいい天気が続いて、湿原管理に最適な気候の到来です。
この日も爽やかな秋晴れでした。
参加者は16名(守り人登録の学生1名、初参加の学生2名含む)。
今月から恒例の秋の湿原管理が始まります。
湿原内の背の高い草の刈取りと、侵入した樹木を伐って、湿原特有の植物を被陰しないように保ちます。
秋色に染まり始めたA湿原を刈り取りしてくれているヨシダさん。
希少種のミズギボウシとカキランの特徴を教えてもらって、誤って刈り取らないように、注意しつつ手刈りする学生さんたち。
刈り取った草が一方向に揃って倒れていると、集草がとてもラクです。
それぞれの場所で、刈ったり、集めたり、運んだりします。
刈り取った草を、コンテナバッグにぱんぱんに詰めると、けっこうな重量になるので、2人がかりで運搬します。
青く澄んだ秋空の下で作業するのは、清々しいものです。
集積場所にある切り株は、つまづくもとなので、ヤマムラさんにお願いして伐ってもらいました。これぐらいの太さなら1分も掛かりません。
作業の合間に、市のオカノさんと話す学生さん。
活動に初参加の学生さんに、管理作業はちょっとしんどかったかも。
まずは、守り人さんの作業する様子をよ~く見て、真似してやってみることから始めるのもいいかもしれません。
それぞれの作業が湿原の保全とどう繋がっているのか。ネットなどの知識だけではわからない、多様な生態系と生きものを育んでいるこの環境のことを体感してもらえたら、嬉しいですね。
先月オオカマキリがいた場所に、小型の褐色のカマキリがいました。
コカマキリのようです。
草を刈っていると、毎年、オオカマキリの卵鞘(らんしょう)が見つかります。誰かが杭にひっかけていました。
おっと、危ない!
刈払機の刃の先にニホンアカガエルがいるのに気付きました。
以前もご紹介したとおり、このカエルは、冬になるといったん冬眠して、1~3月の寒い時期に水辺へ出てきて産卵してから、再び春眠するといわれています。
草に紛れているので、うっかり刈り取ってしまいがちなヤマラッキョウ。
刈ってしまうと、ニラのような匂いがふわっと立つので、「しまった!」と気付くのです。これはまだつぼみでした。
ため池近くの小さな湿原に、スイランが点々と咲いていました。
花の蜜にやってきたハチ?(上の花にいますよ)
ホソバリンドウがたくさん咲いていました。
「今年も、いつものあの場所にアキノキリンソウ咲いてますよ!」と聞いて、さっそく見に行くと、昨年より株が増えていました。これは管理の成果ですね。
今月も、ヤマムラさんが炒ったカヤの実を持って来てくれました。
何度も収穫できるとは、どんなに大きな木なのでしょう。
先月持ち帰ったカヤの実を、醤油などで味付けしてきてくれたのは、お料理好きのヨシダさん。
どんぐり(マテバシイの実)を炒ってもってきてくれたのは、市の担当オカノさん。
来る途中で熟れたアケビを採ってきてくれたのは、セキモトさん。
実りの秋ですね。
午後の活動では、館前の枯れたマツを伐ることになりました。
茶色く枯れたのが、ずっと気にはなっていたものの、密に生えているので、倒すのが難しそうで敬遠していました。
思い立ったが吉日で、まずは、細めのを1本。
次は、斜面上の少し太い木を伐ることに。
なかなかチャレンジャーですね。
ロープを掛けるだけでもけっこう大変です。
ほぼ狙い通りに倒れました。
枝をはらって、
ずっしりと重い丸太を運び出します。
腐らないように地面から浮かせて保管します。
マツは松やにが出るので、ベンチには向きませんが、水に強い特性があるので、湿地の木道に使うなど、上手く活用したいものです。
そんなみなさんの近くに、イヌセンブリが今年も可愛い花をさかせていました。
一昨年にタネが落ちる前に皆伐された場所には、やはりまだ生えてきていませんが、それ以外の場所にはたくさん確認できました。
守り人のみなさん、そして学生さん、お疲れ様でした!
今月末に2回目の湿原管理があります。
年々、湿原内の花の数や、生きものの数が徐々に増えてきているように思いませんか。
湿原管理の効果を感じられると、遣り甲斐に繋がりますね。
次回もご参加お待ちしております!