9月25日(土)は守り人の活動日でした。

朝から快晴で、日差しは強いものの、もう真夏のような暑さではないので、絶好の活動日和となりました。参加者は16名。

 

 

あさイチからみなさん何かの殻を剥いています。

 

 

ヤマムラさんが自宅の庭で採ったカヤの実を炒って持って来てくれたので、みんなで味見をしました。ナッツの香ばしさと、ほのかな甘みもあり、ちょっとクセになります。

 

 

まだカヤの実をモグモグしている人もいるけれど、朝のミーティングをはじめます。

最初に、三田市のオカノさんから、里山で活動する団体を紹介する情報紙「さんだ里山めぐり 第2号」が発行されたというお知らせがありました。

次に、守り人メンバーで、関西学院大学のソメヤ君から、今準備中の11月のイベント紹介と協力依頼がありました。

 

 

本日の活動は、台座が腐ってしまったベンチの作り直しと、そのための材の調達、来月からの「秋の湿原管理」に向けて、A湿原の希少種の周りの手刈りなどを行います。

 

 

先月は活動日が雨だったので、7月以来、2ヵ月ぶりに皿池湿原を訪れたという守り人さんも多くいました。

周辺は秋の気配いっぱいで、発見もたくさんあります。

 

 

カラスザンショウの実や、

 

 

たわわに実ったアケビなど。

 

 

観察路で植物をせっせと抜いている守り人さんに出会いました。

しばらく来ない間に、一気にはびこってしまった外来種を抜いているのだと言います。

外来種の名前を尋ねると、「アメリカなんとか。」とフジイさん。

「フタバムグラじゃない?」とモリさん。

 

 

調べてみると、メリケンムグラでした。

知っているのに名前が出てこないという、よくあるやつですね。

お二人の記憶を併せたら大正解。

北アメリカ原産の帰化植物で、皿池湿原の周辺で見るのは初めてです。小さな可愛い白い花をたくさんつけています。

水田のあぜ道やため池の周辺に、三田市以外でも、ぎっしりと埋め尽くすように生えているのを見たことがあります。

生育地を広げているようですね。

すぐに気づくなんて、さすが植物好きの守り人さんです。

侵入初期段階に対処して、定着は防止したいものです。

 

 

そのころ、里山林作業チームは、ベンチの材として使う、斜めに生えたスギの木を、チェンソーで伐る準備を進めていました。

木が倒れる側の障害になりそうな細い木を伐っておきます。

 

 

スギが狙い通りに倒れるように、ロープを掛けて、みんなで引っ張り誘導します。

 

 

たおれるぞ~、ばさばさどっしん!わっさー!と、なかなかの迫力で、見事に狙った通りの場所に倒れました。

 

 

枝を落として、片付けていきます。

誰かが指示を出すわけでもなく、みんなサッと素早く分散し、枝打ちや伐った枝葉の処分など、手際よく捌いていきます。

何とも頼もしい。さすがです☆

 

 

幹が見えてきました。

 

 

ベンチの長さに合わせて伐ります。

 

 

切り株を見ると、アリが巣食っていて、スカスカな状態でした。

急に明るくなって、アリたちは右往左往。

 

 

根元から入り込んで棲み家にしていたようです。

 

 

湿原作業チームは、ミズギボウシとカキランの周りを丁寧に手刈りしていました。

 

 

こちらは作業後。

きれいに刈り取られていました。

 

 

刈り取った木の集積場所は、すっかり草に覆われていましたので、

 

 

ササ類を刈り取って道をつくりました。

写真右に見えるホオノキには、誤って伐らないようにテープでマーキングされていました。

 

 

里山林で伐ったスギの丸太が運ばれてきました。

太くて、ずっしり重いので、一つ運ぶのに6人がかりです。

 

 

全部運び終えたら、次は、ベンチづくりですが…。

ちょうどお昼となり、午前中の作業はここまで。

ひとまず、お疲れ様でした!

 

 

朽ちたベンチの台座にトビズムカデが棲んでいました。

つやつやしたボディに、たくさんのオレンジ色の脚と赤い頭部で、精巧なつくりです。ボロボロの木のクズが積もった、ほんの小さな地面との隙間に、するりと入り込んで姿を消しました。

 

 

騒がしさに、なんだなんだとオオカマキリも登場。

 

 

カタツムリも何匹か出てきました。コベソマイマイ?

朽ちた木は、生きものにとって居心地の良い場所のようです。

でも、大変気の毒ではありますが、撤去してしまいます。

 

 

秋晴れの空は気持ちいいですね。

紅葉し始めている木々もあります。

 

 

午後は、ベンチの作り直しですが、みなさんの姿がみえません。

 

 

先に始めますよ~。

守り人さんたちを探して、後ろの林の中へ入っていくと…。

 

 

女子のリクエストで、林内のぬかるんだ場所のガタガタの木道のメンテナンスが始まっていました。

今日のメニューにはなかった気がしますが、思いついたらすぐにやってみよう!なのです。

 

 

近くにある倒木などを組み合わせて並べていきます。

 

 

材の大きさが揃っていないけれど、今日のところはこんな感じで。

一応、ガタつかずに渡れますよ。

 

 

木道メンテナンスから戻って来た守り人さんとベンチづくり。

 

 

丸太の角度などによる座り心地を確かめつつ、何度か木を組み換えてベストな組み合わせにします。

 

 

完成!ベンチの角度がいい感じで、座り心地良いです!

 

 

多様性草原には終りかけのツリガネニンジン。

 

 

春に苗を移植したワレモコウは、立派に成長していました。
 

 

ホソバリンドウ。

湿原やその周辺のあちらこちらで、秋の日を浴びて輝いている植物たち。

 

 

サワシロギクや、

 

 

スイラン。

 

 

キセルアザミのつぼみ。

 

 

ツルリンドウも。

植物以外では…、(↓爬虫類が苦手な人は見ないでくださいネ。)

 

 

観察路に、カエルを飲み込もうとしているシマヘビがいました。

ああ、シュレーゲルアオガエルを捕まえちゃいましたか。

この周辺には、数を減らしたいウシガエルもいるのですけどね。

 

 

ため池ののり面にもワレモコウ。

秋の七草のハギ、クズ、ススキが見えます。

 

 

ススキの根元を探してみると…、今年も咲いていました!

ナンバンギセル。

菌従属栄養植物で、ススキなどに寄生して養分をもらっています。

この個体は、透明感のある美しいピンクです。

守り人さんたちも、熱心に写真を撮っていました。

 

本日もお疲れ様でした!

来月からの守り人の活動は、恒例の「秋の湿原管理」です。

秋真っただ中の皿池湿原で、ご参加お待ちしております!