8月13日は守り人の活動日でした。
天候は、ほぼほぼ雨。
今月になり、停滞する前線の影響で雨が断続的に降り続き、活動の実施も危ぶまれましたが、周辺の河川や道路等の状況や警報が出ていないことなどから判断して、実施となりました。
当日は、小降りになった合間を見計らって活動することができました。参加者は4名。
スマホで雨雲レーダーを見ながら、濃い雨雲が去っていくのを確認し、傘をさして出発です。
標柱のヒメタイコウチにオレンジ色のキノコ?が並んで生えていました。これはこれでアクセントになっていますが、木が腐らないようメンテナンスしたほうがいいかもしれません。
この日の活動は、毎年恒例のサギソウ開花調査です。
調査時期や気候が昨年とは違いますが、結果からいうと、サギソウは昨年よりかなり増えていました。
イノシシの掘り返し被害がどのように作用しているか引き続き注視していく必要があります。
まずはB湿原へ。
今年はそれぞれの湿原をいくつかのエリアに分けて数えました。
ここはイノシシの掘り返しがとくに激しかった湿原です。
開花しているサギソウは、イノシシ防除用の電気柵沿い内側で、一番掘り返しがひどかった場所は少なめ、掘り返しがあまりなかった池側はやや多めでした。
しかし、電気柵外側の湿生林近くの、掘り返されて土がボコボコになっていた場所に、100以上の開花が見られました。
イノシシの攪乱が、サギソウにとって程よい影響を与えたのでしょうか。
G湿原も昨年より多く開花していました。
雨雲の下で、ハッチョウトンボの赤が映えます。
A湿原は水の流れを境に、3エリアずつ、計6つのエリアに分けてサギソウを数えました。
エリア分けするのは初の試みです。
毎年同じようにエリア分けして調査することで、イノシシの掘り返し被害などがあった場合にも、開花数と位置情報の記録により、変化を把握しやすくなります。
ロープを張ってエリア分けしました。
ロープの始点は、今後も同じように張れるように記録しています。
同じエリアを2人以上がそれぞれ数えて、合計数を言い合うと、ほぼ同じような数でした。しかも、その数がぴったり同じ!であることも。
雨のしずくを湛えたサギソウの花。
A湿原全体では、1,652の開花を確認できました。
池の周辺の里山林側は、これまでも開花数の多いエリアではありましたが、今年はとくに多くの花が見られました。
サギソウと思って近づいてみると…、一つは純白の羽根でした。
開花調査の範囲外ですが、J湿原にもサギソウがちらほらと咲いていました。
よく見ると、手前に密生したヒメシロネの花もたくさん開いていました。
とても小さな白い花です。
天候は良くなかったものの、サギソウ開花調査は予定通りに実施することができました!
参加された4名の守り人のみなさん、雨の中、お疲れ様でした!!
午後の活動は、守り人さんの参加者はなしでしたが、担当者のみで、毎年実施しているヒナノシャクジョウとホンゴウソウの生育状況を確認しました。
数は昨年より少ないものの、いつもの場所に、ヒナノヒャクジョウを確認することができました。
ホンゴウソウもこのとおり。
調査している間、雨は止んでいましたが、林内はかなり暗く、ホンゴウソウの姿は見つけ辛かったです。晴れていたら、もう少し確認できたかもしれません。
適度に降る恵みの雨は嬉しいものですが、サギソウがいちばん多く咲くこの時期に長雨が重なってしまい、みなさんと美しい光景を共有できなかったのは残念です。
四季折々に見ることのできる風景が、ますます貴重に思えますね。
守り人のみなさん、またの活動日にお待ちしております!