6月18日は守り人の活動日でした。

どんよりとした灰色の厚い雲の下、午後3時頃より雨の予報でしたが、午前中から雨がパラつきました。

参加者は19名(守り人16名、新日本カレンダーさん2名(朝のミーティングのみ)、関西学院大学の学生さん1名)。

 

 

この日、新日本カレンダーさんが、オリジナルの「守り人カレンダー」を製作して届けてくださいました。

ありがとうございます!!
 

 

毎年、守り人のみなさんが楽しみにされている特製の卓上カレンダーです。

掲載されている写真は、全て守り人のみなさんらが活動中に撮影されたもので、毎月の活動日も赤文字で記載されています。

しかも、東京オリンピック開催に伴う祝日も反映されている、今年度版(4月始まり)カレンダーとしては最新版です。

新日本カレンダーさんはメーカーのトップシェアを誇る老舗企業で、環境活動にも意識が高く、皿池湿原の守り人の活動にも当初から協力いただいています。

 

 

今月(6月)のカレンダーの写真はタチカモメヅルです。花は個性的な暗紫色で、白く膨らんでいるのは虫こぶです。

右奥は4月の写真で、守り人のトラタニさんが撮影したホソミオツネントンボです。オスはブルーが鮮やかです。

4月、5月は過ぎてしまいましたが、写真部分を切り離せば、好きな写真とカレンダーを組み合わせられるので、季節を問わず好みで楽しめますね。

 

本日の活動は、毎年恒例のため池の水生生物調査と、湿原周辺及び観察路の管理をしながら、各湿原の生きものも観察します。

 

 

湿原に向かう途中、なぜかみなさんJ2へ吸い込まれるように移動して、何かを探されていました。

目的はサンショウウオなどの両生類とのこと。

J湿原から移動してきたと思われますが、ヤマムラ班の造った両生類のためのシェルターがちょうどいい棲みかとなっているようです。

 

 

ノハナショウブがたくさん咲いていました。

 

 

守り人カレンダーの6月の写真に採用されたタチカモメヅルが今年も咲いていました。

 

 

ため池では、水生生物の調査が始まっていました。

 

 

G湿原に到着した守り人さんは、さっそく見つけた生きものの撮影をしていました。カメラは持たずに、植物の様子を熱心に確認していたのはフジイさん。

 

 

谷筋にサワギキョウがたくさん出ていました。

花が見られるのは秋ですね。

 

 

先月、つぼみがたくさん付いていたハンカイソウは、「もう花は散ってしまったかも。」「いや、意外と長い間咲いているよ。」などと話しながら見に行ってみると、まだ少し花が残っていました。

生きものたちはそれぞれの時間で生きていますから、タイミングが合ったときにだけ、その姿を見ることができますね。

そんなわくわく感のある出会いの楽しさも、活動継続に繋がっているようです。

 

 

A湿原へ行くと、植物好きのお二人がカキランの周りを丁寧に手刈りして、花がよく見えるようにしてくれていました。来週、他団体さんが視察で来訪されるので、しっかりと見ていただきましょう!

 

 

そこへやって来たヨシダさんがひとこと。

「きれいにしすぎたら、植栽したように見えるんちゃう?」

確かに…。

本当はこんな感じ、と言えるように、半分は草むらの中に咲いているのを、そのまま残しておくことに。

 

 

6月の湿原を代表する花、トキソウです。

今年はとくに多くの花が見られました。

先週が開花のピークでしたが、残念なことに、先週末に開催予定であった一般市民向けのトキソウの観察会は、緊急事態宣言中のため中止となりました。

 

 

これは先週の様子です。まさにお花畑!!

この美しさは、守り人さんたちによる、湿原管理によるところが大きいのではないでしょうか。

目に見える良い変化は何より嬉しいことです。

 

 

雨が降り始めましたが、まだまだ、みなさん楽しそうに観察したり、草を刈ったり。

 

 

草陰に雨宿りするでもなく、数種のトンボたちが飛び交っていました。

雨の中、ハッチョウトンボの赤色がいっそう鮮やかです。

 

 

コバノトンボソウも咲いていました。

日当たりの良い湿地などに生える多年生の植物で、花はトンボが飛んでいる姿に似ています。

 

 

ため池の調査は計測に移っていました。

例年と同じ種が、昨年よりたくさん確認できました。

 

 

しかし、ウシガエルの巨大な卵塊が産みつけられているのも発見!

ウシガエルは特定外来生物で、生きたまま運ぶことや別の場所に放すことは、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)により禁止されています。

一匹のメスが1回に産む卵の数(1腹卵数)は、最大4万個だそうで、びっくりです。(詳しくは環境省のチラシでご確認ください。)

これらの大量の卵が孵化してオタマジャクシになり、そして成体(カエル)になるとしたら、この池の在来の生きものはひとたまりもありません。なので、捕獲→駆除となりました。

 

 

アリマグミの果実が紅く熟していました。

小さいけれど、しっかり甘くて美味しい。

守り人さんたちもちょっと味見、のつもりがついつい手が伸びます。

なんと、この3日後には、たわわに実っていた果実は全て鳥?に食べられて、ひとつ残らず消えていました!

いくら食いしん坊でも、木のてっぺんから、クモの巣がかかった枝先の果実まで全部食べつくすのは大変です。

来年は、トレイルカメラを仕掛けて、どんな鳥?が何匹でどれぐらいの時間で食べつくすのか、その様子を捉えてみたいものです。

 

 

活動終了後も、どこでどんな花を見たなどの情報交換や、植物談義に花が咲く光景はいつも通りでした。

この日は、関学の学生さん、ソメヤくんも参加してくれました。みなさん観察や調査などに忙しく、細かい解説はできませんでしたが、活動を楽しまれていたでしょうか…。またのご参加お待ちしております。

 

守り人のみなさん、本日もお疲れ様でした!

この時季ならではの、いろいろな生きものに出会えましたね。

来月も、夏の日差しの下、お会いできるのを楽しみにしています!