5月22日は守り人の活動日でした。

今年は統計史上最も早い梅雨入りとのことで、雨の日が続いていましたが、この日はちょうど、梅雨の晴れ間でした。(但し、昼頃より雨)

参加者は23名。

 

 

市の担当オカノさんより、「さんだ里山めぐり」第1号発行の案内がありました。昨年、守り人活動の一環で視察に訪問させていただいた、「三田里山どんぐりくらぶ」さんが紹介されています。

 

 

 

ナナマツの森では、ササユリの保護にも力を注いでおられます。美しいササユリの花が咲き誇る6月の訪問がおすすめです。

 

 

皿池湿原の生きものを長年観察して来られた守り人のトラタニさんが、ご自身で作成したミニパンフレットを紹介してくださいました。

皿池湿原で観察することのできる生きものの写真を掲載したものと、ハッチョウトンボを見分けるときに役立つ詳しい写真を掲載した2種類があります。今後、観察会などで活用させてもらいたいと思います。

 

 

この日の活動は、各湿原を巡っての生きもの観察です。

併せて、見学会等に向けて、観察路に生えたササ類もチョキチョキ切りながら歩きました。

 

 

湿生林に植栽したカザグルマは、蔓や葉は見られるものの、花は見当たりませんでした。

 

 

B湿原では、イノシシの掘り返しの影響を確認しました。

 

 

サギソウはちゃんと葉を出していました!

イノシシ防除用の電気柵を設置した効果でしょうか。

 

 

サギソウの葉が、ぽつぽつと、あちこちに見られて、ひと安心。

花の季節が楽しみです。

 

 

こっちのほうはイノシシの踏み荒らしはなさそうです。

 

 

イノシシが激しく掘り返していた場所には、モウセンゴケがその名のとおり、毛氈を広げたように密に生えていました。

モウセンゴケは、イノシシの攪乱に強い種なのでしょうか。

 

 

なかなか見に行くことのない、Ⅰ湿原とH湿原へも足を延ばしました。

 

 

この場所で、ムカシヤンマがヘビトンボを空中でキャッチする決定的瞬間を目撃して、みなさん盛り上がりました(残念ながら、写真はありません~)。その背後で、ひたすらトビケラに夢中のお二人。

興味の対象にも多様性があります。

多様な生きものがいて、その姿を垣間見られる環境は、とても貴重です。

 

 

アサヒナカワトンボのオスがいました。

 

 

こちらは羽化して間もないムカシヤンマ。

羽がまだ乾ききっておらず、フラフラとしか飛べません。

 

 

大きく葉を広げたヤマドリゼンマイ。

 

 

昨年は1株しか見られなかったハンカイソウは、大きく成長した個体がたくさん確認できました。しかも、今にも咲きそうなつぼみを多数付けていました。

 

 

カザグルマは、A湿原の近くで、一輪だけ咲いていました。

 

 

花の季節はまだ先のカキラン。

熱心に撮影する、山野草の専門家のイトウさん。

 

 

ハッチョウトンボのオス。

成熟前の個体は赤くありません。

 

 

トキソウが咲き始めていました。

出会えると幸せな気分に包まれますね。

 

本日の午前の活動はここまで。

 

 

昼食後、トラタニさんの美味しいコーヒーを楽しんでいると、雨が降り始めました。

午後の活動は、自由参加です。

 

 

時折り、雨脚が強くなったり、止んだりの目まぐるしい天候の中、手分けして観察会に向けての観察路づくりを開始!

大きな鎌を振って、クマイチゴやササが茂る藪を切り開いていくワタナベさん。

 

 

道づくり男子が、点々と散らばって作業を始めると…、みるみる内に点が繋がって線となり、あっという間に道が完成!

 

 

木が腐っていた橋も付け替えられて、歩き易くなっていました。

 

 

守り人さんのすごいパワーと技術、状況把握能力に、スタッフは感心しきり。

 

 

 

獣害用電気柵を再利用した、トキソウ観察ポイントも完成!

小人数が、間近でトキソウをしっかり観察、そして撮影も可能です。

 

この観察路は、湿原を踏み荒らさないでほしい、でもトキソウを間近で観察できるようにしてあげたい。そんな守り人さんの責任感と優しさでできています。最高です!

 

守り人のみなさま、本日も、お疲れ様でした。

夏が近付いて、湿原は花の季節を迎えますね。

来月も、ますます魅力を増したこの場所でお待ちしております!