3月12日は令和2年度の最後の守り人の活動日でした。

 

天候は、昼過ぎから雨という予報で、今にも降り出しそうな曇り空の下、予定通りの活動ができました。参加者21名。

新日本カレンダーさんから4名の参加がありました。

 

 

本日の活動は、両生類の産卵状況の観察と、継続して実施しているA湿原フェンス沿いの里山管理、J2の整備です。

 

 

湿原へ向かう道に、イノシシの足跡が残っていました。

どこからやって来て、どこへ行ったのか。

とにかく湿原内には入らないでほしいものです。

 

 

まずは、両生類の観察です。

 

 

ついつい密になりがちですね。

みなさんが交代で観察しているものは何でしょうか。

 

 

一つは、ヌマガエルです。ピクリとも動きません。

周りの色に紛れて目立たないので、教えてもらっても、焦点が合うまで時間がかかりました。

見つけた人は、生きものセンサーを持ってますね、さすがです!

 

 

もう一つは、これこれ。

いましたね!

セトウチサンショウウオの卵嚢が木片に産みつけられていました。

でも、木片を持ち上げた途端に落下してしまいました。

以前は干上がっていた場所が、産卵にちょうどよい水の溜まり具合になっていたのは、ヤマムラ班長らの取り組みの一環が功を奏したからです。嬉しさひとしおですね。

メスは一対の卵嚢を産んだ後はその場所を離れますが、オスは卵嚢の近くで別のメスを待っていることもあるそうです。

そっと探してみましたが、見つけることはできませんでした。

 

 

せっかくの産卵場所やその周辺に、イノシシがやって来て台無しになっては困るので、トレイルカメラで様子を確認することにしました。

 

 

水の溜まる場所づくりでしょうか、新たな穴を掘っていました。

 

 

J1には、木を運んでいました。

 

 

工具持参で、熱心に作業する新日本カレンダーさんたち。

皿池湿原以外でも環境保全活動に携わっておられますが、今年度の野外での作業はこれが初めてとのこと。

 

 

木材は、まだ足りないようですね。

 

 

運んだ木を並べているのは、水生昆虫などを守りたいという取り組みのようです。

長さをちょっと揃えると、視覚的にいい感じになるかもしれませんね。

守り人活動では、「何でも試す」、「やってみなはれ」の精神を大切にしています。こうすればどうだろう?というアイデアは随時募集しています。

 

 

A湿原のフェンス沿いでは、伐採枝葉入れが、また一つ増えていました。

 

 

見通しも良くなり、ほぼ完了と言ってもいいかもしれません。

冬季の木を伐採する作業は、今月で一旦おしまいです。

ラストスパートで、作業を進めました。

 

 

そうそう、ヒサカキなどを伐るときは、できるだけ地際で伐りましょう。

高い位置で伐ると切り株につまづいて思わぬ事故を招きます。

 

 

林内を暗くするヒサカキは伐採の対象になりがちですが、下向きに咲く可愛い花が満開でした。独特の香りがあり、強い臭気は苦手な人も多いかもしれません。この季節ならではのニオイですね。

 

 

館前のアセビも満開でした。

 

 

スズランのような可愛い花をたくさんつけます。

アセビは「馬酔木」と書き、大きな馬でも、食べるとその毒で痺れてしまうくらいだそうです。

ニホンジカの不嗜好植物でもあるので、シカの多い山に行くと、アセビばかり残っている場所に出会うことがあります。

ここ皿池湿原の、イノシシやシカなどの問題が、来年度以降どうなるかも気になるところですが、みなさんと協力して、早めに対策をとるなどしつつ、注視していきたいと思っています。

 

守り人のみなさん、本日もお疲れ様でした。

今年度は、コロナ禍での活動となりましたが、予定していた取り組みはほぼ終えることができました。

来年度も安全に楽しく活動を続けていきたいと思います。

次回も、春爛漫の皿池湿原でお待ちしています!