11月13日は守り人の活動でした。
秋の湿原管理の3回目です。
この日はとても暖かい1日で、少し動いただけで汗ばむほどでした。
参加者は13名(見習い2名含む)。
前回より参加者少なめで、はじまりのミーティング。
三田市の担当オカノさんが、関西学院大学の学生さん主催のイベント「オンライン自然学習教室 Nature to Future」のトークセッションの収録に参加してこられた報告など。
このイベントは11月21日(土)にリモート開催されますが、体験教室(木工)の講師として守り人さんも参加予定です。
本日の活動は、
・G、E、F湿原内のヌマガヤ等の刈り取りおよび集草
・その周辺観察路のササ類の刈り取りおよび倒木の片付けなど
G湿原の草刈りが始まったその奥で、ホソバリンドウを探す守り人さんたち。うっかり刈り取ってしまわないようにマーキングするためですが、イノシシの荒らした跡があり、今回、花は見当たりませんでした。
少し起伏のある場所なので、刈り取った草は、熊手を使うと上手く集めることができます。
モウセンゴケなどをかき取ってしまわないように、地面から浮かせて草だけを集めます。
G湿原入口の倒木をノコギリで伐って片付けるタナカさん。
E湿原の周りはアカマツなど針葉樹が多く生育しています。
比較的フラットな場所では、アメリカンレーキを使って草を集めていました。オオミズゴケの多い場所なので、その上の刈り取られた草だけを集めるのは意外と難しいのです。
草刈りをする人の背丈より、高く伸びたヌマガヤ。
観察路の行く手を阻んでいた大きな倒木は、ずっと以前からヤマムラさんが「ノコギリで伐って片付けたい!」と言われていました。
チェンソーなど電動工具を使わずとも、人力でじゅうぶん!とのこと。
現場へ行ってみると…。
一仕事終えて、この表情。
みごとに伐り落とされた断面が美しい。
2種類のノコギリを使い分けて伐られたとか。
ビフォア写真がないのが残念です。
もう一方の端を伐ったのは、力仕事に、さりげなくすごいパワーを発揮するシンジョウさんです。
伐った倒木にロープをかけて…。
通行の邪魔にならないよう移動させていました。
腐っているわけではないので、相当な重量があります。
この木は必ず有効に活用しましょう!
E湿原の作業後です。
F湿原も刈り取り終了。
G湿原は広々としました。
刈り終わった後も、それぞれが気になった場所を手刈りしていました。
本日の活動はここまで。
人数が少なめにもかかわらず、分担して手際のよい作業により、本日予定していたメニューは完了しました。
ここ数日暖かいからか、スミレが咲いていました。
今年もオオカマキリの卵(卵鞘)をたくさん見かけました。
気温が高めだからか、散歩していた小さなニホンカナヘビ。
そろそろ冬眠する時期ですよ~。
秋の気配が漂う、ため池と里山林。
ため池堰堤全体(多様性草原含む)のササ類の刈り取りは、次回に。
多様性草原育成中のプレートが倒れていました。
イノシシの仕業のようです。
毎回、午後の活動で里山管理を続けてきたJ2のバイオネストは、満杯になっていました。
枝を細かく切れば、もう少し入りそうです。
J2の整備後に初めて顔を見せたのが、このアキノキリンソウ。
明るくなった里山林の生きものの多様性が、少しずつ高まっていけば嬉しいですね。
サルトリイバラの赤い実は、可愛いので人気です。
リース作りに使うのでしょうか。
黄色になっているのは、マツ枯れではなく、黄葉したアカマツ。
マツは年じゅう青々としているイメージが強いので、おや?と思いますが、常緑樹も古い葉を落として新陳代謝しているのですね。
皿池湿原の紅葉が見られるのもあとわずかです。
館の横のアカマツ林を眺めつつ「整備すれば、マツタケが生えてくるかも?」と、夢を語る人たち。
この日、朝一番に確認した、ため池に浮かぶ水鳥たちも紹介しておきましょう。オオバンとホシハジロです。
ホシハジロのオスは、頭の茶、胸の黒、体が白で、3色くっきりに分かれたおしゃれなカモ。
「今日は潜水ガモばかりだね。」と、いつも朝早く来られて皿池の鳥類を観察されているセキモトさん。
こちらは、活動の最後。
帰りがけの車に、思いがけない来客がありました。
ネキトンボのメスです。
腹部上部がメタリックな赤とゴールドがかっています。
図鑑によると、成熟したメスの腹部上部が赤くなる個体とならない個体がいるそうです。
守り人のみなさま、本日もお疲れ様でした!
毎回さまざまな出会いがあるのも、この活動の面白さですね。
次回も、晩秋の湿原でお待ちしています!