10月30日は守り人の活動でした。
秋の湿原管理の2回目で、前回は終日雨でしたが、今回は快晴!
いつも通りの賑やかな活動日となりました。
参加者は守り人18名(うち見習い1名)と、関西学院大学の学生さん1名の合計19名。
最初に、関西学院大学のコバタケ君より、学生が企画したオンラインイベントへの参加および協力について話がありました。
イベントの内容としては、環境保全ボランティアグループ間の情報交換や子供向け木工教室などだそうです。
木工の匠!カトウさんにイベントについて相談するコバタケ君。
本日の活動は、
・A湿原内の伐り取りの続き(草刈り機および手刈り)と集草
・C、D湿原で前回刈り取ったヌマガヤなどを、湿原内から運び出す作業(集草)
前回は雨で刈り取った草が濡れていたため(濡れいていると重い!)、手つかずのままになっているものを協力して片付けます。
活動前から話が弾んで、楽しそうな守り人さんたち。
今日は作業が捗りそうな予感です。
7月の活動で、見学会に向けてのササ類を手刈りしたときにマーキングしておいたホソバリンドウが咲いていました。
薄い紫のグラデーションで、その繊細な色が美しい。
ヒメシロネが紅葉していました。
刈り取ったササは、かなり復活していますが、まだ背は低いです。
スイランもたくさん咲いていました。
キク科の多年草ですが、細長い葉の形が蘭(シュンラン)に似ていることから「水蘭」と名付けられたそうです。
花びら(花弁)の先端には5つのギザギザがあります。
また何か見つけましたか。
アキノキリンソウが咲いていました。
この場所での確認は初めてです。
花が咲いていると、嬉しくなりますね。
などと、寄り道しながら歩いて行くと、C湿原に先に着いた人たちが作業を始めていました。
D湿原でも作業開始!
以前に集積していた場所は目立つので、それらも移動させることにして、奥に新たな場所を設けました。
刈り取った草は、乾燥して運びやすくなっています。
草刈り機の名人たち?
ひたすら刈り取った草を集めて、運びます。
突きさして、ロープの外に積んで。
集めて、運びます。
フレコンバッグに詰め込んで。
ブルーシートを使って海苔巻き状して。
竿にネットを張った担架で。
集めて、集めて。
黙々と。
おそらく初めて?の草集めに、真面目に頑張るコバタケ君。
守り人さんに混じって活躍していました。
ありがとう!またの参加をお待ちしています!
草刈り機班は、距離を広くとって作業します。
集草する人は、草刈り機を使う人の5m以内には入らないルール。
飛び石や、キックバックによる危険を回避するためです。
背の高い草を刈っていて、ツルリンドウの鮮やかな実を見つけました。
味はなく、生では食べられないと言われていますが、コンドウさんは昔からよく食べていたとのこと。
ならば!と、さっそくみんなを代表して味見するヤマムラさん。
古くなったリンゴのような、スカスカな実だけれど、ほのかに甘みもあるよ、とのこと。
たくさんあれば、果実酒にしてみたいものです。
ピンクの花は、サワシロギク。
花の色は、最初は白く、咲き終りになるとピンクに色づきます。
集草して広々したC湿原。
光が降り注ぐ、D湿原。
右端に草の刈り残しがありますけど…。
近付いてみると、ヤマラッキョウが咲いていました。
倒れぎみに咲くので、支える草とともに刈り残してありました。
そろそろお昼です。
作業を終えましょう。
みんなが去ると、静けさが戻ってきます。
こころもち距離をとってランチタイム。
前回ほとんど見当たらなかったイヌセンブリですが…、探してみると、ありました!花もたくさん咲いています。
ミヤコイバラが繁茂する場所には、イバラに守らているかのように、たくさんの株が確認できました。
その近くに「フユノハナワラビが生えている!」と、守り人さん。
よく見ると、ぽつぽつと、あちこちに生えています。
フユノハナワラビは、日当たりのよい山野に生育する冬緑性(秋に葉を出して冬を越し、夏は地上部が枯れる)のシダ植物。
下のほうに見える栄養葉(シダらしい葉っぱ)で光合成をして、上に伸びた胞子葉に付いた胞子嚢(胞子の入った黄色いつぶつぶ)が花のように見えるのが、名前の由来とのこと。
午後に、再度ホソバリンドウを見に行ってみると、朝、開いていた花が閉じていました。日光を感じている時だけ咲くようです。
一度見たらおしまいではなくて、こんなちがう表情を見つけるのも、楽しみのひとつです。
守り人のみなさま、本日もお疲れ様でした!
自然の中で身体を動かすのは、やはり気持ちがいいですね。
11月も湿原管理の続きです。
引き続き、協力して作業を進めましょう。
次回も、晩秋の湿原でお待ちしています!