12月15日は守り人の活動日でした。
師走の何かと忙しい時期にもかかわらず、穏やかに晴れた冬空の下、企業の方々も含めて参加者は21名。
今回は、兵庫県立人と自然の博物館の石田先生にもお越しいただき、これまでの守り人活動におけるいろいろな取り組みや、経過などをご覧いただきました。
企業の若者のほかにも、今回初参加で若い世代が加わりました。
いつも元気な熟年世代のやる気が、ますますアップしそうです。
本日の活動は、草原へのチガヤの植栽とサクラバハンノキ林のササ類刈り取り、草原生植物のタネの調整(植物から種を取り出す)、ベンチとテーブル作りの続きを、それぞれ班に分かれて作業します。
その前に、以前予告した、近隣で採集した草原生植物のタネを育ててみませんか、という案内です。
ご存知のとおり、守り人活動の一環で、「みんなでタネを育てて、多様性草原(多様な植物からなる美しい草原)をつくろう!」という取り組みを始めています。
タネは、比較的よく目にするワレモコウやツリガネニンジン、最近は、自生する姿をあまり見かけなくなったキキョウやオミナエシ、スズサイコなど14種類、すべて三田市域から収集しました。
「失敗してもOKです!ぜひ、楽しんで苗づくりにトライしてください!」
自分や仲間の育てた植物が、いろとりどりの花を咲かせた草原をイメージするだけで、わくわくしますね。
これは何だと思いますか。
開くとこんな感じです。
これは三田産のチガヤマットです。ヤシの繊維にびっしりとチガヤが生えています。
「やはり草原の主役はチヤガにしたい!」そんな思いを胸に一足お先に草原に植えます。
ただ小分けしたマットは全部で16枚。そんなに多くないので、全面的に植えることができません。とりあえず法肩に植えて、あとは根やタネで広がっていくことを期待します。
草原にチヤガはまったく生えていません。今はササが主役。マットを植えるにもササの根が邪魔して大変です。
その大変なチガヤ班に女性が全員参加。草原愛でしょうか。
新日本カレンダーの皆さんも暖かな陽をあびて楽しく作業していただきました。
満面の笑顔は、スマートなタナカさん。物静かな印象とはちがって、実は力仕事を率先して行う、すごいパワーの持ち主です。
植え付けに困っているところを見つけては、土堀をかってでて下さいました。
完成!!
初夏には風にたなびくチガヤの美しい穂が見られることでしょう。
ここからズンズンひろがってくれれば大成功です。
チガヤ班は、引き続いてササ類などの刈り取りです。
人数が多いと作業が捗ります。
草原に苗を植栽するのはまだ先ですが、ちゃんとプレートを用意しておきました!
カタチから入るのって重要ですよね。
「多様性の高い美しい草原を育てよう!」という意気込みとともに、記念撮影です。
ところで、そのころタネの調整班はというと。
植物によってタネの形が全く違うことや、その小ささ(ほとんど粉末?)に驚いたりつつ、ふるいにかけるなどして、選別し袋に入れるという作業。これが簡単かと思いきや、意外と大変でした。
午前中の作業はそろそろ終了。
出来上がったばかりのベンチとテーブルでお昼にいたしましょう。
木工班の方々、さすがの出来栄えです!
昼食の後は、恒例のCafé Saraike開店で、くつろぎのコーヒータイム。
せっかくの機会なので、石田先生にいろいろ植物のことなど尋ねて、教えてただきました。
午後の活動は自由参加です。
午後は、守り人の館前のミヤコイバラなどを刈り取る管理作業です。
トゲのチクチクにも負けず、刈り取っては、運び出します。
奥行きがあって、こんなにも広かったのですね。
館前広場と呼んでもよくなりました。
この広場を今後は何に活用するか、守り人のみなさんは、具体的な楽しいアイデアを考えておいてくださいね。
最後にもう一つ、作業がありました。
イヌセンブリのタネを多様性草原へまき出します。
イヌセンブリは湿地や湿った草地などに生える越年草で、春に発芽したものは、ロゼットで越冬し、その年の秋(10月~11月)に花を咲かせます。なので、うまくいけば再来年に可憐な花を観察できそうです。
将来を楽しみに、湿った法尻へと丁寧にタネをまきました。
本日はお疲れ様でした。
1月の守り人の活動は、チヤガ班が行ったササ刈りの続きや入口(カトウさん作成の標柱)から奥へと里山管理を進めていくことなどを予定しています。
次回も、冬真っただ中の湿原でお待ちしております!
みなさまお元気で、良いお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願いします!