6月22日は守り人の活動日でした。

 

週明け18日の大地震、その後の大雨など、守り人の皆さんをはじめブログをご覧の方々、ご無事でしたでしょうか。今後もどうぞくれぐれもご注意くださいますように。

 

活動日は、ちょうど梅雨の晴れ間の好天となり、青空のもと、この季節ならではの生きものとの出会いを楽しむことができました。

参加者は12名でした。

 

 

最初に市のタカギさんからお知らせがありました。

「守り人のトラタニさんに講師を務めていただく、ハッチョウトンボ親子観察会は、いよいよ明後日の日曜日となりました。ご都合の合う方は、ぜひともサポートを兼ねてご参加ください。」

 

 

本日の活動は、観察がメインですが、まずは、草原でチガヤの種子を採取して、キキョウなどを植栽した草原に種をまきます。

 

チガヤはイネ科の多年草で、日当たりのよい草地や土手など、野山に群生します。細くしなやかな白銀色の花穂が風になびいている景色は心地よく、農村地域では、ススキと並んで古くから親しまれてきた景観要素の一つです。また、万葉集、枕草子、源氏物語、徒然草など多くの古典にも登場します。

 

 

白い尻尾のようにみえるのがチガヤです。花が終わると種子についた毛が生長し、ほわほわの綿毛は風に乗って遠くまで飛んでいきます。

 

チガヤの若い花穂は「ツバナ」といい、噛むとほのかな甘みがあるそうです。根茎は利尿、消炎、止血などに用いられ、漢方薬にされます。

 

 

4月の活動の管理作業で、すっかり明るくなったハンノキ林を通って行きましょう。何かこれまでとの変化は見られるでしょうか。

 

 

草原に移動してチガヤの種子をまきます。

チガヤは地下茎を繁茂させて、降雨などによる浸食を防ぎます。また、多くの野生の草花と混生できるのも特徴で、ここでは多様な在来種が生育する草原を目指します。

 

 

湿原Gの様子も観察を兼ねて確認しました。

 

 

湿原A周縁部は、里山管理のお蔭で、明るい林内を容易に通り抜けて、池の近くまで寄って観察することができるようになりました。

コバノトンボソウが咲いていますよ。

 

 

名前のとおり、トンボが尾を上げてとまっている姿に似ていますね。

 

 

湿原をいためないように、足元に気を付けて池のほとりへ。

至近距離で希少な生きものを観察できるのは、守り人の皆さんたちだけの、特別な時間です。

湿原の多様性と、その豊かさにあらためて感動!

 

 

美しいトキソウ。

 

 

お昼まで、あと少し時間がありますが、前回の刈り残しが気になりますね。管理作業でいい汗流しましょう!

 

 

お弁当&食後のコーヒータイムのあとは、参加者みんなで「生きもの暦」を付けましょう。

観察した動植物の欄にマグネットで印を付けて、共有します。

野帳に観察したものをちゃんとメモしている方がおられて、遡って付けることも可能です。守り人さん、さっすが~。

 

 

午後は自由参加です。

みんなで湿原Aへ向かいます。あ、シジミチョウが!何シジミかな~。

道中にも生きものとの出会いがあります。

 

 

観察会に向けて、目立つササ類を手刈りでチョキチョキ。枯れた細い木も伐って片付けます。

 

 

そんな皆さんを見守るように咲く、ノハナショウブが一輪。

 

 

鏡のように空を映す池。

 

 

本日の締めくくりは、ヤグラさんから里山管理の考え方の話を再び。

湿原の周縁部は、林内を暗くしている常緑低木やササ類などを管理することで、生物多様性を向上させていきたいと思っています。

 

本日もお疲れ様でした。

いつもながら、新たな驚きや発見、感動がありましたね。

 

来月の守り人の活動は、8月の見学会に向けて、観察ルートの点検、設置したロープ、標識などのメンテナンスを予定しています。もちろん、真夏ならではの生きものたちとの出会いもお楽しみに!