8月10日は守り人の活動日でした。
朝は灰色の雲が雨を予感させましたが、いつの間にやら、厚い雲は姿を消して、青空に白い雲、予想通りの真夏日となりました。
今回のメインは、夏の湿原の観察です。と、いうことで…
満を持して石田先生にご登場いただきました!
「皆さんがまだ訪れていない湿原もありますので、今日は全てを見て回りましょう!」と石田先生。おのずと期待も高まります。
まずは、小さいけれど魅力的なJ湿原から。
次はB湿原へ。
柵の外から見ていると、石田先生から嬉しい声掛けが。
「守り人さんだけの特権で、今日は柵の内側から観察してもかまいません。ただし、足元によく気を付けて、植物を傷つけないよう、水辺から見てください。」
夏の湿原の代表的な花、サギソウ。
ただ、この日咲いていたサギソウの花は少なめで、開花のピークはもう少し先かもしれません。
丸山湿原(宝塚市)やあびき湿原(加西市)などのサギソウの開花も遅れているとのことですので、一昨年を基準にすると、昨年は早め、今年は遅めということでしょう。
ということは、来週の一般見学会では、満開!?
皆さん、期待しましょう!!
ハッチョウトンボの撮影に忙しそうですが、次の湿原へ向かいましょう。
小さな湿原は、一人ずつ順番に観察。
あ、踏まないように気を付けてください。林内に入ると、足元にポツポツと、白い小さな可愛い子が。コンペイトウ?落花?星屑?いいえ、これはヒナノシャクジョウです。
ヒナノシャクジョウは、光合成は行わず、落ち葉などを分解する菌類と共生して養分を得る腐生植物です。花びらのように見える一つ一つが花で、咲いて先端部分が開くと内側は黄色です。目を凝らして、よーく観察してみましょう。
和名の「雛の錫杖」は、とても小さくて僧侶や修験者が持つ錫(すず)の輪の付いた杖に似ていることから名付けられました。
ヒナノシャクジョウが生える場所は土壌に菌類が豊富で、ここが豊かな環境である証拠です。そう考えると、ますますこの出会いが嬉しくなりますね。
今年もちゃんといましたホンゴウソウ!
この混雑は、観察&撮影の順番待ちです。ホンゴウソウって教えてもらわなければ、なかなか見つけられないなぁ。あれ、目を離すとまた見失ったよ~。などと、言いつつも、皆さんご自慢のカメラにしっかり収めておられました。
ホンゴウソウがどんな姿か気になる方は、こちらのブログでどうぞ
→https://ameblo.jp/saraikeshitsugen/theme2-10100842222.html
林床に生えている立派なシダはヤマドリゼンマイです。氷河期の遺存植物と言われています。遥か遠い昔に思いを馳せてみませんか…。
観察しつつ、行く手を阻むミヤコイバラやササ刈りなどしつつ移動したので、今日も皆さん汗だくになりましたね。さて、守り人の館へ戻ってお昼にいたしましょう。
守り人の館前の木陰でランチタイムのあとは…、
Cafe SARAIKE の開店です。
オーガニックのコーヒー豆で入れた、このカフェでしか味わえないこだわりのスペシャルブレンド。
お湯を注ぐと挽いた豆が膨張。焙煎間もない証拠だそうです。お湯がしっかり豆の層を通過するように、縁にはお湯を注ぎません。
マスターと呼んでいいですか。
くつろぎながら、語らいます。
楽しいおしゃべりの時間が継続の秘訣かも。
マスター、美味しいコーヒーをご馳走さまでした!
午後は自由活動です。
前回の残りのネームプレート設置班と椅子づくり班に分かれて作業しました。
ネズの間伐材で椅子づくり。
脚に使う材は、径が少し小さめ。互い違いに積んで高さを確保しました。ここは前回とは異なる、工夫がキラリ
ネズの生長は遅く、材がとても緻密なので、チェンソーで切り出すのも一苦労日本の針葉樹の中では最も重硬です。
かすがい(鎹)で材がずれないようにしっかり固定します。
子が夫婦の縁を保ってくれるということのたとえ、「子はかすがい」の「かすがい」です
完成!!
大人5人が余裕をもって座ることができます。
切り口からネズの良い香りがして、アロマ効果もばっちり。癒されます!
(ちなみに、ジンは、セイヨウネズの実で香り付けされたお酒。)
ネームプレート班が合流して、さっそく座ってみます。
いかがでしょう、香りも楽しめますよ。
「いい座り心地ですね~」
椅子づくり班も大満足
皆さん、本日も暑い中お疲れさまでした!
初めて訪れた湿原もありましたが、新たな魅力の発見はありましたでしょうか。
来月は、あびき湿原の見学会です。皿池湿原のとはまた違った魅力がありそうですね。ご都合の合う方はぜひご参加ください。