彼女を心配する彼氏

20代半ばの女性が40度の発熱で受診。
熱以外には大きな症状はなし。


血液検査で白血球の上昇はなく、炎症反応は上がっていることを確認。


おそらくは何らかのウイルス確認であることが疑われるため、新型コロナウイルスのPCR検査を実施。


解熱剤と炎症剤を処方。


翌日、新型コロナ陰性判明。
本人に電話連絡。


陰性であることにホッとした様子も、体調確認をすると『薬が切れると熱があがる感じ』とのこと。


風邪の多くはウイルス性であり、細菌性のように抗生物質等の特効薬がないこと。
ウイルスの活動を自身の免疫力や体力で乗り切るまでは、対処療法で乗り切ることなどを説明。


昨日未明からの高熱なので、まだ今日あたりは熱が続く可能性は高い為、脱水に気をつけて、明日以降まったく改善なければ連絡を…と伝える。


本人の口調はしっかりしており、受け答えには笑い声も混ざり、意識等は明瞭な様子。
その他、注意事項も確認した上で電話終了。


電話を切って2時間後。
彼氏から半ギレ状態で電話が入る。


最初から喧嘩口調で
『こんなに苦しんでるのに放っておくのか?』
と突っかかってこられる。


どんな様子なのか、
2時間前の電話時は発熱以外の大きな症状はないと言われていたが、何が変化したのかを問う。


『熱が何日も40℃あるんだからツライに決まってる』と…


本人が電話に出れるかきくと、
『出れなくはないけど、辛そうだから自分が電話している』との答え。


…やれやれショボーン
心配なのはわかるけれど、この手の問い合わせは納得&理解してもらうまで時間がかかるのも事実。


まず一つ一つの症状を確認していく。

呼吸苦はないか?

顔色や指先の色は?

意識はハッキリしているか?

水分や塩分の補給は?

排尿はあるか?

薬は飲めてるか?

何か新たな症状はないか?



などなど。



彼氏が一つ一つ彼女に確認。

すべて大丈夫な回答。



再びウイルス性疾患の特徴を説明。



彼氏はだんだんとトーンダウンし、

『そうですよね』

『そうなんですよ』

と、自分は最初からそう思っていたと言わんばかりの返事へと変わっていく。



明日以降も高熱が続き、まったく改善の兆しがなければ連絡をすること。

夜間などに急変した場合は迷わずに救急対応すること。

水分補給は少しずつでよいが、意識して普段の倍ぐらいの補水をすること。

ミネラルバランスが崩れると倦怠感等が増すので、塩分や糖分も意識すること。

排尿が少なくなった場合は脱水の可能性もあるから、排尿をバロメータ目安にすること。

部屋はクーラーなどを活用し、過ごしやすい温度と湿度を保つこと。

本人の訴えも大切だが、彼氏から見て普段と違うなど感じるものがあればその感覚を重要視すること。

今の時点では特効薬はないこと。

PCRは100%ではないこと。



特に目新しいものもなく、普段通りの説明。

昨日、医師が本人へ直接説明したもの。

2時間前の電話で私が本人へ説明したものばかりです笑い泣き



電話を切るときには、

『丁寧にありがとうございます』と明るい声でした

口笛



心配なのはわかるけれど…

普段の診察にプラスしてワクチン接種もありバタバタの今…

やれやれの一幕でした。



《補足》

翌日以降に何の連絡もなかったので、

改善してくれたのだと思います照れ




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