ワクチン予約で泣かれてしまいました…

当院もいよいよ明後日5/10から、一般高齢者へのワクチン接種を開始します。


すべてのことが未知であり、手探りでの準備…インフルエンザの予防接種では味わったことのないストレスの中で準備を進めていますプンプン


昨日、90歳のおばあさんが受診されました。
娘さんが付き添って、毎月定期的に受診されており、とても可愛らしく、優しい声でお話しされる方です。
いつも笑顔で、私もこんなふうにすてきに歳を重ねたいと憧れる存在。


娘さんも別世帯でありながら、マメにお母さまの世話をされており、『この母にしてこの子あり』なんだなと思わせる…そんな親子さん。


たまたま午後のポツッと空いた時間に来院され、そのタイミングで新型コロナワクチンの予約キャンセルが発生あり。


『ワクチン予約はもうお済みですか?』
と、お声をかけてみました。
すると娘さんから、
『予約開始日にwebサイトで頑張ったけど、サーバーダウンで…ダメでした。コールセンターに電話もしたけどまったくつながらなくて…』との回答。


ほとんどの方がこんな感じです。
どこの市町村も、報道をみていると似たり寄ったりですよね。


『今、たまたまキャンセルが発生しています。もし日程的に都合がつけばその日に予約を入れれますが…』とお伝えすると、
『大丈夫です!ありがとうございます!』と娘さん即答。


コンピュータ操作し、無事に予約変更手続き完了。
予約票を発券し、ご本人と娘さんに注意事項等説明しながらお渡ししました。


ご本人はとびきりの笑顔で『ありがとうね。すごく嬉しい』と言ってくださり…


娘さんは『本当にありがとうございます!どうしたらいいか本当に困って、この先ちゃんと予約できるのかすごく不安だったのでホッとしました』と、涙ポロポロこぼされてて…


性格もあるので、皆が追い込まれてるわけではないと思います。
『予約が取れる時に』とか、『そのうち打てるようになったら』など比較的ゆったり構えてくださる方もいらっしゃるのは事実。
でも、中にはここまで追い込まれ不安になってる方もいらっしゃるのだと…なかなかお力にならないことのもどかしさと、国のお粗末な対応に怒りが湧きあがります。


今回、私が何か特別なことをしたわけではなく、たまたまキャンセルがあったので無駄にならないようお声かけをさせていただいただけのこと。


偶然が重なった結果なのに、ここまで感謝されてしまう現状。


政府は早く高齢者接種を終え、一般に枠を広げたいのでしょう。
そのうち高齢者が終わらなくても、一部の一般を開始して、意気揚々と『すでに一般の方への接種もはじまりました』と手柄顔で吹聴するんでしょうね。


現場の状況、現場の声…伝わることはないのでしょうかね。
たとえ伝わったとしても、国のトップの方々の心には響かないのかもしれませんが…




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