喘息治療『継続は力なり』
毎年、ゴールデンウィークが明けると喘息発作での受診患者さんが増えます
この時期に発作を起こすのは、普段からきちんと通院されて治療を継続している患者さんではなく、『症状が出た時だけ』治療するタイプの方の方が多いのが特徴です。
喘息は発作が起きなければ基本的に無症状であることが多い病気です。
(重症喘息の方は違いますが…)
本来は風邪をひくなどの刺激を受けても発作が起きないように、普段からフォローするのが喘息治療です。
発作が起きた時だけ治療するというのは、現在の喘息治療としては正しくありません
気管支の内側がただれていたり、炎症で腫れていたりするので、刺激によって咳や呼吸苦を生じて発作になります。
そのため普段からステロイド吸入などで気管支の内側のただれや炎症を改善し、刺激を受けても発作が起きないように、気管支の内側を正常化するよう働きかけます。
喘息は発作が起きた時に治療するのではなく、発作が起きないように普段から治療する必要がある病気…なんです。
でも発作がない時は、気管支の内側がただれていても炎症を起こしていても基本的に無症状なので、発作が起きた時にしか治療しない人が多いのも現実。
きっと、普段は無症状なら発作の時だけ治療すればいいのでは?…と考える方はいらっしゃると思います。
でもそれではダメなんです
発作を繰り返していると、気管支の炎症が慢性化してどんどんひどくなります。
炎症改善のための薬も効果を得にくくなるので、薬もどんどん強くなっていきます。
普段から発作を起こさないように適切な薬を適切に使用するべき。
気管支の状態を改善していく薬と、発作時に使用する薬は作用が違います。
発作時の薬は即効性があるので、その薬さえあれば大丈夫と思っている人…とても危険な考えであることをぜひ理解していただき、普段の治療を根気よく続ける大切さを知って欲しいです
最後に…なぜゴールデンウィーク明けに喘息発作の患者さんが増えるのか?
まずは気温の乱高下。
寒暖の差が大きくなると、気管支に影響しやすいです。
次に梅雨へ入っていくから。
これも気圧の変化大きく、気管支へ影響しやすいです。
それから…ストレス。
4月から新年度で、少なからず環境が変わる人が多いです。
無意識に必死で頑張っていて、ゴールデンウィークで一息…そこからまた日常が始まると、知らず知らずストレスを蓄積してしまう。
ストレスも発作の引き金になる時があるです。
こういったことがあっても出来るだけ発作にならないように…万が一発作になっても少しでも軽症であるように普段からの治療がとても大切な病気なんです!
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