新社会人の不安

社会人1年目…数日前に社会人デビューし、今日から本格的に勤務するというピカピカ女の子。
めまいと嘔気を理由に来院されました。


違う病院の検査結果と処方せんを持って…。


めまいで受診したら、大量の血液検査をされて、今日結果を聴きに行ったらホルモンバランスが崩れているので治療が必要との診断。
さらに低血圧がめまいの原因だから、血圧を上げる薬を処方され…ホルモンも血圧も痩せてるのは良くないから太りなさいと言われたけど、どうすればいいのかわからなくて当院へきたとのことでした。


うーん…困ったガーン
これはどうすればいいのか…患者さんの気持ちはわかるが、保険診療にはルールがいろいろあるのですえー


医師の診察の前に、状況を整理することからはじめてみた。
別室に呼び、何を困っているのか、どうしたいのかをひとつひとつ確認してみました。


まずはホルモンバランスの崩れに関しては、治療が必要と言われたが、どんな治療をするのか、なぜ必要なのか説明されなかったから、お金のこと含めて心配とのこと。
検査を行った病院も当院も内科なので、婦人科にデータ持参して相談することを提案。
すると、かかりつけの婦人科があるとのこと。
それならば話は早い!
次回受診するときに今回のデータを持っていって、内科で治療が必要と言われたけれど詳しいことわからなかったので、もし治療が本当に必要ならこちらでお願いしたいと言ってごらんと説明し、本人も納得してくれたので◎


低血圧は以前にもその病院で診断され、薬が出た事があったとのこと。
今日、たった今処方され…まだ服薬もしていない状態。
当院としては、他院の医師が診察の上で必要としたくすり、診断した病名を、今この時点で否定する根拠は何もないえー
実際に本人も低血圧は認めているし、低血圧に伴うめまいと考えることは、まったく無理なく、むしろ自然な流れといえると思う。
なのでこれに関しては、まずは1ヶ月きちんと服薬してみて、症状改善されればよし。
もし改善なくめまいが続くようなら脳のCTなどを検討するために、薬の処方先の病院でもいいし、当院でもいいから再度受診することを提案。
ただし、一瞬フワーとするだけでなく、何か新たな症状が出たときには即受診をするよう説明。
これも本人は納得してくれて◎


新社会人として、新生活が始まると同時に様々なストレスや環境変化。
それらの不安の中、突然詳しい説明もなくホルモンバランスが悪いので要治療だとか、低血圧の薬服用だとか言われたことで、自分で整理できなくなりパニックになって…どうすればいいかわからなくなり当院に駆け込んだようでした。


結局、当院の医師による診察をするわけでもなく、アラフィフのおばちゃんが話を聞いて、整理しただけ。
それでもひとまずは納得して、『もう大丈夫です』と帰っていった新社会人。


患者さんの立場で話をすることの重要性を改めて痛感した出来事でした口笛
忙しさに負けて、忘れないようにしようと思いました!